1989年に放送されたアニメ『らんま1/2』が令和の世にリメイクされ話題になっている。1980年代といえば今なお愛される名作がざっくざく生まれた年代。“令和の今”リメイクするとしたら、あなたはどの作品を選ぶ?
話題のアニメ『らんま1/2』以外にも、今年は同じ高橋留美子原作の『うる星やつら』(第2期)や、『キン肉マン』のリメイク版が放送されるなどあのころのアニメがアツい! そこで全国の40〜50代の男女200人に、リメイクしてほしい1980年代の名作アニメをアンケート。あなたが見たい作品は、はたしてランクインしている?
「今リメイクしてほしい」名作アニメランキング
9位は、グルメ漫画の代表格『美味しんぼ』。
「子どもだったからわからなかったことも、今見たら知識や楽しみが増えそう」(埼玉県・53歳・女性)、「グルメが好き」(岐阜県・57歳・女性)と20票を集めた。
同作はテレビアニメに加え、実写でもドラマ化や映画化されるほど根強い人気で、「海原雄山と山岡士郎の対決をもう一度見たい」(東京都・51歳・男性)など、魅惑のグルメだけじゃなくストーリーでも多くの人を魅了している。
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同数の9位は少女漫画の傑作、『ガラスの仮面』。
「昔よく見ていたアニメが今風にアレンジされていたら面白いから」(東京都・59歳・女性)、「今見ても面白いストーリー。改めて見てみたい」(岡山県・47歳・女性)と、幅広い世代の女性から圧倒的な支持を得た。
原作はいまだに未完で、原作者の美内すずえが現在も完結を目指していると女性誌のインタビューで語っている。そのため「ラストが知りたい」(京都府・56歳・女性)と完結を熱望する声も。
8位は高橋留美子の代表作であるラブコメ『めぞん一刻』が22票。下宿アパートの管理人で夫と死別した音無響子と、住人の五代裕作を中心とした恋模様を軸に、個性的な住人たちとのにぎやかな日常を描く。
「今は少なくなった下宿での人間関係が面白く切ない。今ならどう描かれるのかな」(東京都・49歳・男性)、「かわいいラブコメで好き」(北海道・42歳・女性)など、性別を問わず人気。
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近隣住民との人間関係が希薄になっている令和だからこそ、下宿を舞台にした設定が懐かしく心が温まりそう。
沼落ちしたあの主人公
6位は北条司原作のアニメ『シティーハンター』。
「主人公が好き」(和歌山県・40歳・女性)と、この作品は何といっても主人公・冴羽リョウの魅力が決め手。ほかにも「ネトフリの実写を見て、もう一度アニメが見たくなった」(東京都・49歳・女性)などの声を集め23票獲得。
昨年は劇場版最終章として映画が公開、今年はネットフリックスで鈴木亮平主演の実写版が配信されるなど、時代を経てもその魅力は色あせない。さらに、過去にはフランスでの実写映画化や、ジャッキー・チェン主演の映画化など世界も認める面白さ。まだまだ進化する令和アニメ版冴羽リョウを見る日は近い!?
同じく6位に、藤子・F・不二雄さん原作の『キテレツ大百科』がランクイン。からくりロボットのコロ助、キテレツやその友人たち、奇想天外な発明品などのワクワクな日常を楽しく描いたファンタジーアニメ。
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「面白かった。コロ助がかわいい」(埼玉県・41歳・男性)、「ほのぼのとした日常の中に笑いや感動があって楽しめた」(山梨県・49歳・女性)などの声が。さらに『キテレツ〜』といえば、『すいみん不足』や『お料理行進曲』、『はじめてのチュウ』など、思わず口ずさんでしまう主題歌やエンディング曲も忘れられない魅力のひとつ。
4位は当時の女子小中学生たちをこぞって虜にした不朽のラブコメ『ときめきトゥナイト』。原作は少女漫画雑誌『りぼん』で絶大な人気を誇ったコミックで1982年から約1年間、テレビ放送された。
「コミックも全巻そろえるほど好きだったから、現代で改めて見てみたい」(北海道・42歳・女性)、「今でも通用するラブコメだと思うから」(熊本県・50歳・女性)と、26票を獲得。ほとんどが女性からの支持だった。ちなみに原作は、2022年に漫画の連載開始から40周年を迎え、現在も『クッキー』(集英社)で続編を連載中。読者とともに年齢を重ね、なんと主人公・蘭世がアラフォーに!?
同票で4位は『北斗の拳』。原作は累計発行部数1億部を超えるアクション漫画の金字塔で、1984年にアニメ化されると最高視聴率23・4%をたたき出し一躍、社会現象に。当時、「お前はもう死んでいる」や「ひでぶ」といった名ゼリフが子どもたちの間で大流行した。
「悪役たちをケンシロウが一撃で倒す爽快感がたまらなかった」(島根県・51歳・男性)、「今流行りの俳優さんを声優にして渋くリメイクしてもらいたい」(熊本県・53歳・男性)と男性を中心にリメイクを望む声が。
昨年、原作40周年を記念し、最新の映像技術で完全新作のアニメ化の制作が発表された。40年の時を経てどう変わるのか完成が待ち遠しい。
日本中の子どもがハマったギャグアニメが1位に
2位にランクインしたのはあだち充原作の『タッチ』。高校野球をテーマに、双子の兄弟、上杉達也と和也、幼なじみの浅倉南の3人の恋愛模様を描いた青春アニメ。1985年にテレビアニメ化されると、平均視聴率25・6%の高視聴率番組となった。
コメントでは「青春の思い出をもう一度味わいたい」(千葉県・46歳・女性)、「これを見て野球が好きになった」(山形県・55歳・女性)と、読者の青春時代の1ページを彩った作品だったのがうかがえる。青春マンガの名作が、令和ならどう描かれるのだろうか。
同じく27票を獲得し2位になったのは『笑ゥせぇるすまん』。1989年にテレビアニメ化された藤子不二雄Aさん原作のブラックコメディー。謎のセールスマン、喪黒福造が客の“心のスキマ”を埋めるサービスを提供。客が約束を破ると「ドーン!!」の叫び声で破滅につき落とす。
「子どものころに怖いもの見たさで見ていた。大人になってからのほうが理解できそう」(東京都・46歳・女性)、「世の中を風刺したもので今に合っていると感じる」(宮崎県・55歳・女性)などのコメントが。大人がより楽しめ、内容も普遍的なので令和でも違和感なく楽しめそう。
1位に選ばれたのは『Dr.スランプ アラレちゃん』。原作は『少年ジャンプ』連載の漫画で、アニメ化されると平均視聴率22%超え、最高視聴率は36・9%を記録。「んちゃ!」「うほほーい!」「キーン」など数々の名ゼリフ(?)を世に流行らせた。
「ありえないストーリーが最高」(宮城県・52歳・男性)、「とにかく面白かった」(東京都・52歳・女性)、「平和だから」(和歌山県・48歳・女性)と、ほかに大差をつけて47票を獲得。
残念ながら今年3月に原作者の鳥山明さんが急性硬膜下血腫で亡くなったが、もう一度あのハチャメチャに明るく愉快なアラレちゃんの世界観で世の中を照らしてほしい。
かつて少年少女を虜にしたアニメは時代を超えて愛され続けている。久しぶりに昭和アニメにふけって、昔を懐かしんでみるのもいいかも。
取材・文/荒木睦美 イラスト/ミヤギトオル