週明け9日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比112.59ポイント(0.57%)安の19753.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も39.71ポイント(0.56%)安の7096.84ポイントと反落した。売買代金は866億8720万香港ドルとなっている(6日前場は861億6300万香港ドル)。
指標発表が気がかり材料となる流れ。中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。あす10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など。また金融も15日までに予定されている。また、ハンセン指数は先週末、約1カ月ぶりの高値水準を回復しただけに、利食い売り圧力も意識された。もっとも、下値は限定的。中国経済対策の期待感で、指数はプラス圏に浮上する場面もあった。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」については、11〜12日に開催されると伝わっている。
朝方発表された物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.2%(予想はプラス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.5%(同マイナス2.8%)で着地した。まちまちの内容となり、相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民営教育サービス業者の新東方教育科技集団(9901/HK)と太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)がそろって3.3%安、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が3.0%安と下げが目立っている。新東方教育と快手科技は、本日付けでハンセン指数の構成銘柄に組み入れられた。
セクター別では、中国の不動産が安い。融創中国HD(1918/HK)が5.6%、万科企業(2202/HK)が4.0%、中国奥園集団(3883/HK)が3.5%、合景泰富地産(1813/HK)が3.3%ずつ下落した。万科企業が6日引け後公表した今年11月の営業実績によると、販売額が前年同月比で3割減。市況回復に時間がかかっていると懸念された。
中国証券セクターもさえない。中州証券(1375/HK)が3.4%安、国聯証券(1456/HK)が2.4%安、中信建投証券(6066/HK)が2.2%安、第一上海投資(227/HK))が1.7%安で引けた。
半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連は物色される。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が8.2%高、薬明生物技術(2269/HK)が8.1%高、薬明合聯生物技術(2268/HK)が7.3%高、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が3.5%高とそろって続伸した。米国が7日公表した国防権限法(NDAA)の改正案に、「バイオセキュア法案」が含まれていなかったことが刺激材料。バイオセキュア法案は、米政府が中国CRO企業との取引を制限するものだが、同法案が年内に成立する可能性はほぼなくなったとみられている。
一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.40%安の3390.62ポイントで前場取引を終了した。不動産株が安い。ハイテク株、酒造・食品株、インフラ関連株、証券株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。銀行株、公益株、空運株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)