「闇バイト」で集まった特殊詐欺グループがカンボジアから日本へ詐欺の電話をかけ、10億円以上をだまし取ったとみられる事件で、フィリピンに逃走していたこのグループの「道具調達役」の男がきょう、日本へ移送され、飛行機内で逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、住居不詳の佐々木洋平容疑者(36)です。
捜査関係者によりますと、佐々木容疑者は去年7月、仲間と共謀し、カンボジアの首都プノンペンのアパートから長野県大町市に住む80代の女性にうその電話をかけ、現金275万円をだまし取った疑いがもたれています。
佐々木容疑者は「闇バイト」に応募したとみられ、プノンペンを拠点に日本に詐欺の電話をかけていた特殊詐欺グループに所属していたということです。
カンボジアに渡った当初は「かけ子」をしていたとみられ、その後、日本に帰国した際にはグループから指示され、生活必需品や水で溶ける紙などをカンボジアの拠点に送る「道具調達役」の役割を担っていたということです。
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水で溶ける紙は被害者の個人情報をメモするために使用されていたとみられ、摘発時には水に溶けた状態で見つかったということです。証拠隠滅を図ったとみられています。
佐々木容疑者は去年9月の拠点摘発後にフィリピンに逃走し、今年10月、現地当局に身柄を拘束されていました。
このグループをめぐっては、これまでに「闇バイト」を通じて集められたとみられる男33人が逮捕されています。警察は去年、プノンペンの拠点から100台を超えるパソコンやスマートフォンを押収していて、このグループによる被害総額は10億円以上に上るということです。
一方、このグループをめぐっては、リーダー格の男を含む日本人の男3人がタイのバンコクに逃走したという情報があり、警察はグループのさらなる実態解明を進めています。
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