スーパーフォーミュラ公式テスト/ルーキーテストに参加することになったメルセデス育成のアンドレア・キミ・アントネッリ 12月11日(水)から13日(金)の3日間に渡って、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式テスト/ルーキーテストが行われる。
シリーズを開催する日本レースプロモーション(JRP)によれば、このテストには2025年のF1にハースからフル参戦が決まっているオリバー・ベアマンとともに、メルセデスからF1にデビューすることが決まっているアンドレア・キミ・アントネッリも参加する。
JRPが発表したエントリーリストによれば、ベアマンはKids com Team KCMGのマシンを走らせ、アントネッリが走らせるのはdocomo business ROOKIEのマシンとなっている。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)と提携しているハースからF1に参戦するベアマンが、トヨタ系チームであるKids com Team KCMGから参加するのはわかるが、なぜアントネッリがベアマン同様に、トヨタ系チームであるdocomo business ROOKIEから参加することになったのか。
メルセデスでスポーティングディレクターを務めるロン・メドウは次のように経緯を説明する。
「我々にはヤングドライバー(YD)プログラムがあり、ジョージ(・ラッセル)もキミ(・アントネッリ)もそのプログラムでしっかりと教育を受けて、F1にステップアップしてきた。そのプログラムを統括しているのが、YDマネージャーのグウェン・ラグルーだ」
「彼はフランス人で、キミが来年F1にフル参戦するうえで、最初の関門となるのが4月に開催される鈴鹿だと判断した。鈴鹿は攻略するのが難しく、ドライバーの能力が問われるからだ。グェンは(アントネッリに)鈴鹿での経験を積ませようと考えていたとき、12月にスーパーフォーミュラのテストがあることを知ったんだ」
フランス人のラグルーがコンタクトした人物は、同じフランス人で交友関係があったロイック・デュバルだった。デュバルは2011年までホンダ陣営に所属していたが、2012年にトヨタ陣営に移籍し、スーパーGTではPETRONAS TOM'S SC430で現在TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパの副会長を務める中嶋一貴のチームメイトだった。
ラグルーにとって、鈴鹿でのテストが魅力的だったのは、前半2日間が対象ドライバーに制限が設けられない一方で、最終日の13日(金)に行われるふたつのセッションが、スーパーフォーミュラへのレース出走回数が積算で4戦未満のドライバーに限定される“ルーキーテスト”になっていることだった。
というのも、F1最終戦アブダビGPから2日後の12月10日(火)に、ヤス・マリーナ・サーキットでもF1のポストシーズンテストが行われる。メルセデスからこのテストで誰が走行するか発表はないが、時間的に考えると、10日にヤス・マリーナ・サーキットでF1マシンのテスト走行を行った後、13日(金)に行われるスーパーフォーミュラのルーキーテストに参加することが可能だからだ。
しかし、そのアントネッリは体調不良によりFIA F2のスプリントレース以降を欠場してしまった。果たして、アントネッリは鈴鹿のスーパーフォーミュラテストに参加できるのか。