仕事を変えたら、収入が爆増したという人もいる。神奈川県の40代女性は投稿を寄せ、一時期、同人作家だったと打ち明ける。二次創作、つまり「原作がある漫画、ゲーム、アニメの番外編を勝手に作るようなもの」と説明する。
「イベントにサークル参加をするようになり、気づいたら壁サークルといわれる、行列ができるサークルになっていました。委託本屋でもコーナーが作られたり。発行部数は2万部超えていたときも」
2万部超とは大したものだ。収入も相当あった様子。一方で現在ウェブデザイナーとして会社勤めしている女性の年収は、400万円。なぜ同人作家をやめてしまったのだろうか。(文:天音琴葉)
「確定申告で税金を納めると、すごい額が消えていきました」
同人作家になる前にも会社勤めをしていたという女性。だが30歳の時にうつ病になり、休職を3回した後に退職した。
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「で、いきなりフルタイムはきつく、週に3回の仕事をしつつ貯金で生きていました。そんな折、オタクな友人の勧めで二次創作を始めました。私は小説新人賞の最終選考まで残ったことがあるので、小説を書くのはうつが余程ひどくなければ楽しいものでした」
その上で女性は二次創作のルールに則り活動していた。
「原作とは関係ないフィクションで、キャラはいくら似ていようとも別人です、と絶えず言い続ける、年齢制限ものは絶対に未成年に売らない、原作が『この約束守るなら描いていいよ』というガイドラインを出していれば守る」
元々、小説を書くことは得意だったこともあり、アイディアが次から次へと湧いてきた。こうして前述の通り、発行部数が2万を超える同人作家となる。
「同人誌、しかも小説としては頂点に近い部数です。確定申告で税金を納めると、すごい額が消えていきました。応能負担の威力を感じましたね」
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印刷費やイベント出展費などはかかるが、かなりの儲けが出るはずだ。うつ病も治癒し、全てがうまくいっていた。だが再び正社員に戻ったとし、理由をこう説明する。
「勿体無いと言う人もいましたが、二次創作で一生やっていける気がしませんでした。収入は10分の1になりましたが、今までがおかしかったのだと思うとなんでもありませんでした」
ということは、一時は税引き前で数千万円ほどの収入があったのだろうか。確かにもったいない気もするが、どっぷりハマる前に抜け出したくなったようだ。女性はこう結んでいる。
「その後、SNSで無料で読める二次創作も増え、コロナでイベント自粛もあり、昔専業同人で生計をたてていた人は、私が知る限りは全員、まっとうな(?)仕事をはじめました。貯金をせず豪遊していて、苦しい生活になった人もいます。やはり安定が一番でしょう」
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