先月13日に92歳で亡くなった日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんを偲んで、2014年に公開されたドキュメンタリー映画『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』を、当時の封切館である東京・渋谷のユーロスペースで追悼上映される。12月21日から27日まで。上映初日は杉本信昭監督の舞台あいさつ、2日目には谷川さんの長男で本作の音楽を手がけた谷川賢作氏(音楽家)を招き、監督とトークイベントを開催する予定。
【動画】映画『谷川さん、詩をひとつ作ってください。』予告編 『鉄腕アトム』のアニソンで、CMのナレーションで、教科書のなかで、私たちは世代を超えて、谷川さんの詩に触れてきた。みずみずしい言葉が紡ぎ出す宇宙は、不思議な力で私たちをひきつける。
映画は、谷川さんが東日本大震災について書いた詩『言葉』を入り口にして、さまざまな土地で暮らす人々が発するかけがいのない言葉を追い、そこに潜む喜びや悲しみから再び谷川さんの詩が生まれるまでを描いたドキュメンタリー。
谷川さんの創作の現場から、海、畑、学校、路上、そして神降ろしの場、いろいろな場所で生きる人々を追って撮影を実施。生きる土地も世代もばらばらな人々の、それぞれの苦しみと喜び。
この映画に登場する人々は、自分の言葉を自分で探し出そうともがき、ときには谷川さんの詩でそれを伝え、ときにはそれを呑み込んで無言を貫こうとする。谷川さんもまたそれらの言葉や無言を受け止め、自分の言葉=詩を探し出そうとする。そて、新しい詩が生まれる。
谷川さんの詩を、谷川さん自身と登場人物が朗読するときに、まるで約束されていたかのような一体感が生まれるさまも見どころ。谷川さん亡きいま、再びスクリーンで谷川さんの詩の世界に浸り、思いを馳せる貴重な機会となる。
■谷川俊太郎さん追悼上映スケジュール
2024年12月21日(土)〜12月27日(金)
ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F)
12月21日 午前11時〜
12月22日 午後1時〜
12月23日〜27日 午前11時〜
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