サッカー解説者の林陵平さんが『TVer(ティーバー)』で独占配信中の『マンデーフットボール』に初出演。9日に行われた収録後、注目している指導者などについてメディア取材で語ってもらった。
林さんは、現役時代に東京ヴェルディや柏レイソルなどでプレーし、Jリーグ通算300試合に出場。2020年に現役引退後、すぐに指導者へ転身し、2021年から2023年まで東京大学運動会ア式蹴球部(東大サッカー部)の監督として指揮を執った。国内外問わず、数多くの試合中継で解説を務めながら、2024年度は日本サッカー協会(JFA)の『Proライセンスコーチ養成講習会(旧:S級コーチ養成講習会)』に参加。来年1月予定の海外プロクラブ研修などを修了後、日本サッカー協会技術委員会に認定されれば、Jリーグのトップチーム監督に就任できるライセンスを得ることになる。
今後のキャリアプランについて、林さんは「国内のカリキュラムを修了してまだ取得には至ってないですが、ライセンスを取得できたら、いつかは監督をしたいです。今の仕事も楽しいですが、タイミングを見て監督になりたいです」と語り、育成年代ではなく「一気にJリーグでの監督を目指しています」と、Jクラブのトップチームでの指導を目標に掲げた。また、「今の日本の状況だと、コーチから入って、監督という流れがあると思うのですが、若いうちから『監督』が出てこないとダメだと思いますし、僕は『監督』を目指しています」と、“監督業”へのこだわりも教えてくれた。
林さんは現在38歳。Jリーグにおいては、まだまだ30代の指導者の登用事例が少ないが、海外に目を向けると、ドイツ代表のユリアン・ナーゲルスマン監督(現在37歳)は、28歳にしてホッフェンハイムの指揮官に就任。ブライトンを率いるファビアン・ヒュルツェラー監督は現在31歳、ドルトムントのヌリ・シャヒン監督は36歳、マンチェスター・ユナイテッドの新指揮官ルベン・アモリム監督は39歳と、世界的なトップクラブでも若手指導者が指揮を執っている。
林さんは、「やりたいからできるというわけではなく、オファーがないとできないことですが、個人的には若い監督がもっと出てこないといけないと思って見ています」と、自身も含めた若手指導者がJリーグで指揮を執れるようになることを望み、「欧州でプレーしている日本人選手が増えていますが、プレミアリーグで指揮している日本人監督はまだいません。もちろん、文化も違いますし、難しい部分もあるとは思います。現状では日本で(Pro)ライセンスを取ってもアジアでしか指揮できないですが、これからプレミアリーグやブンデスリーガでも(同じライセンスで指導)出来るような互換性をもたせようとしているところなので、そこが生まれると、より幅が広がってくるのかなと思います」と、指導者のグローバル化にも期待を寄せていた。
そんな林さんが、いま注目している指導者は、リヴァプールのアルネ・スロット監督とのこと。「フェイエノールト時代から良い監督だなと思っていましたし、ここまでの活躍は不思議ではないです。スロットの監督像はすごく目指している部分です」と語り、「まずは攻守に明確な戦い方があります。攻撃もポゼッションだけではないですし、カウンターもできる。守備も前からプレッシャーをかけるときに、相手によって変化させたりもできる。試合中の修正も早いので、見ていて勉強になります」と、同監督から学べることは多いと明かした。
とはいえ、理想とする監督像は、もちろん“スロット監督のコピー”ではない。現役時代にコーチングを受けた名監督も含め、「影響を受けた監督はたくさんいますが、どの監督を目指すというよりは、いろいろな監督の良いところを自分の中にとどめておいて、自分のスタイルで監督になりたいと思っています」と語り、「誰かと一緒ではなく、自分の目指す監督像に近づいていきたいです」と、指導者の目線で話してくれた。
解説業では、試合への徹底した準備や戦術眼、巧みな“言語化”能力で人気を博している林さん。将来的に就任するであろうJクラブの監督で、どのようなチームを作り上げるのか。今後の指導者としての活躍に期待が高まる。
[協力]=TVer(ティーバー)
■『マンデーフットボール』概要
【配信日時】 毎週月曜日19:00〜TVer独占でVOD配信 ※見逃し配信期間:1週間