11年ぶりに“大人の学力”を問う国際調査が行われ、日本は引き続き、世界トップレベルであることが分かりました。
調査は「PIAAC=国際成人力調査」と呼ばれるもので、2022年、欧米先進国を中心としたOECD=経済協力開発機構31カ国・地域の16歳から65歳までの16万人が参加して、11年ぶりに行われました。
日本では無作為に抽出したおよそ5200人の自宅などを調査員が訪問。2時間ほどかけてタブレットで回答してもらいました。
調査は前回と同じ「読解力」と「数的思考力」に、今回は「状況の変化に応じた問題解決能力」を加えた3分野で行われました。「問題解決能力」をはかる問題とは、例えば「複数の人物のスケジュールを当日の予定や会場の都合の変化に応じて適切に調整する」といった内容です。
調査結果によると、日本は前回1位だった「読解力」と「数的思考力」では、どちらもフィンランドに抜かれて2位に。「問題解決能力」ではフィンランドと並んで1位で、全体的にはどの年齢層でも世界トップレベルの成績を維持していることが分かりました。
|
|
一方で、「読解力」では前回調査と比べて成績下位層の割合が増加。「数的思考力」では逆に成績上位層の割合が増加しました。「読解力」では、特に45歳から54歳の中年層の成績が低下していたということです。
調査では大学で専攻した内容と、就職後に仕事で求められるスキルとのギャップがあることも判明。調査を分析した文科省の担当者は、「これからは社会人になってからのリスキリング=学び直しが求められる」と話しています。