楽天からFA宣言した茂木栄五郎内野手がヤクルトへ移籍した。
茂木は楽天時代、主にサード、ショートを守ってきたが、今季はプロ入り後初めてファーストとセカンドのポジションで出場するなど、内野のポジションを全て守ることができる。
ヤクルトの内野陣はというと、多くのスワローズファンがご存知のように、ファーストには来季から3年契約で残留したオスナ、セカンドには近年は打撃不振もチームキャプテンとして支える山田哲人、サードには22年三冠王の村上宗隆、ショートは今季最多安打のタイトルを獲得した長岡秀樹がいる。
内野のレギュラーはほぼ固まっているが、内野のバックアップという面では不安はある。現役ドラフトで今季加入した北村拓己は48試合に出場して打率.125、長岡と同学年の武岡龍世は76試合に出場して打率.177、ソフトバンクから戦力外となり内野手登録ながらも外野での出場が多かった増田珠は52試合に出場して打率.207、内外野複数のポジションをこなす宮本丈は60試合に出場して打率.259だった。川端慎吾もいるが、代打専任で守備機会も今季はファーストで試合途中から1試合守っただけ。
10月に行われたドラフト会議も1位は投手の中村優斗、2位は高校生外野手のニキータ、今年のドラフトは支配下で5人指名したが、内野手は4位で指名した健大高崎高の田中陽翔のみ。高校生で1年目から一軍でバリバリプレーするということは考えにくい。
ヤクルトの内野は固まっているとはいえ、近年、山田が故障気味で村上も26年以降にメジャー挑戦を考えている。そういった意味でも、茂木がチームの戦力として機能するか、しないかというのはかなり重要になってくる。
茂木がレギュラーを一気に奪うような働きを見せれば、レギュラー内野陣の刺激となり、競争力が高まる。茂木は近年悔しいシーズンを送っていたが、楽天時代の17年には恐怖の1番打者として、17本塁打を放った。19年には141試合に出場して、打率.282、13本塁打、55打点、21年にも120試合に出場して打率.259、14本塁打、53打点の成績を残している。ヤクルト内野陣に刺激を与える存在になれるだろうかーー。