Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」制作総指揮フランク・ドルジャーが見た撮影現場での中島健人「彼自身が動揺しているように見えたのでシーンを変えたんだ」

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2024年12月11日 09:31  ガジェット通信

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世界的大ヒット作となった「ゲーム・オブ・スローンズ」の主要プロデューサーの一人で、数々のエミー賞受賞歴を誇り、「ジョン・アダムズ」や「ローマ」、Huluで独占配信中の大型国際ドラマ「THE SWARM/ザ・スウォーム」など話題作を次々と手掛けるフランク・ドルジャーがショーランナーを務める、Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」がHuluにて独占配信中です(毎週金曜新エピソード更新/全6話)

【あらすじ】
AI テクノロジーが網羅された社会コンコルディア
その町では起こりえなかった殺⼈事件、AI は何を⾒逃したのか物語の舞台は、カメラとAI に⽣活の全てを網羅されたコミュニティ“コンコルディア”。⾃由で公正で⼈間らしい社会を保証するために作られたこの町で起きた殺⼈事件を発端に、町だけでなくコンコルディアの理念そのものに⼀筋の闇を残すこととなりました。殺されたオリヴァーはこの町で分析官として働いていましたが、彼⾃⾝の⽴場を利⽤して第三者の情報を不正閲覧していただけではなく、モニタリングは監視だとする反対組織“フェイスレス”にコンコルディア住⺠の私的なデータを渡していたことが発覚。次第に、このコミュニティが抱える⼤きな闇が暴かれることになる…

本作へのこだわりについてフランク・ドルジャーさんにお話を伺いました。

――素晴らしいキャスト、スタッフ陣が集結しましたが、フランクさんの想像を超えた素晴らしいシーンが撮れたという手応えを感じたシーンはありましたか?

2つあります。1つは、オープニングクレジットとインタビューについてです。コンコルディアに住む住人がインタビューを受けるシーンで、うち数人は俳優でしたが、数人は一般的な市民です。よりリアルに見せたかったのと、多様性のある住人を見せたかったのです。彼らがコンコルディアのような場所に住むことについての状況を理解してもらわないとうまく撮影が成功しないと思い、撮影まで、うまくいくかどうか確信が持てませんでしたか、皆、カメラの前でとてもリラックスしていたことにホッとしました。ベルリンで撮影していたのですが、幸運なことにとても国際的な人種を持つ都市です。

もう一つは、コンコルディアをシャットダウンする場面で、その場にいる住人の多くを撮らなければないかった時のことです。すべての住民の“反応”を取るシーンですが、編集されて一つになった時、予想以上に感動的だと感じました。素晴らしい演技で、素晴らしい演出で、素晴らしい撮影でした。そのシーンは私にとって、コンコルディアのアイデアを象徴したものになりました。

――中島健人さんの取材をさせていただいた際に、とてもこだわりぬいた現場だとおっしゃっていました。フランクさんが作品に携わる時に絶対に譲れないものというのはどんなことでしょうか。

その質問には「妥協したくないものは何もない、しかし時には妥協せざるを得ない」としか答えられません。重要なのは、全てにおいてプロジェクトの全体的なビジョンを失わずにベスト方法を見つけ出すだすこと思います。

私が携わったプロジェクトに妥協なきものは一つもありません。時にスケジュールは変更されますし、本作に関しては特に、多くの屋外シーンで日差しを必要としており、現場では映像の光と透明性について議論していました。しかし3、4日悪天候が続くと、完璧な状況での撮影は難しく、そこで問題を回避する方法を考えなければなりません。だから私にとって問題は、妥協をしないことではなく、必要な妥協にどう対処するか、ということが大事だと思っています。

「仕事は決して終わりがない」ということです。例を2つ挙げると、脚本を書くのに何年もかけて、それが完成台本となって上がってきます。しかし、スタッフや俳優たちがセットに入るまで、そして監督が現場で動き出すまで、物事は変化します。私が常に気をつけていることは、その現場から一歩下がって、より最善の方向性が示唆される瞬間があるかを見守ることです。

――製作総指揮として時には一歩下がることも大切なのですね。

例えば、私たちはA・J・オオバ(演:中島健人)のキャラクターがストーリーに合わせて感情的になるようなシーンを作ってはいませんでした。脚本では、中島さんはすぐにジュリアナに会いに行って報告するようなシーンだけでした。ただし、私はセットでその撮影現場を見て、A・Jに怒りの感情が表れているのを見ました。そして彼が素晴らしい演技をしていると思いました。彼自身が動揺しているように見えたので、私は監督に「A・Jがジュリアナに会いに行くまでが早すぎるので、彼が何を感じているのかととらえるシーンを入れたらどうか」と提案しました。A・Jが机を離れトイレに行き、非常に動揺して自分を見つめるというシーンを作り出したのですが、これは脚本の段階から提案するのは間違いだという例です。

編集室でも同じことが言えると思います。中島さんは自分で作った楽曲を我々に提案してきくださいましたが、最終的にはその楽曲は想定外に採用されました。作品作りというのは常に流動的で、常に変化していることを自分に思い出させなければならないと思います。

それは監督や他のプロデューサーにとっても難しい対応になります。ましてや配信会社やテレビ局にとっても受け入れ難い流動性です。なぜなら多くの場合、元々、撮影する予定がなかったものを撮影しているからです。しかし、私が本当に守ろうとしているのは、人々が予定調和に執着しすぎないようにすることです。常に現場で見直し、再評価し、再考し、オープンな心を持ち続ける必要があります。

――本作がまさにそうですが、今後はよりインターナショナルな作品作りに興味が増えていきそうでしょうか?

HBOなどで長年、歴史ドラマや時代物を手がけてきて、「ゲーム・オブ・スローンズ」が終わった時に次に何がしたいかと考えました。それまでは、いまの時代に通ずる問題提起を行ってはいるんですが、過去を舞台にした作品が多かったんです。フィルムメイカーとして、自分の次のチャプターを歩み出すにあたって、今後は未来を見据えたいなと。より目を向けるべきトピックが、まだまだある。ドキュメンタリーで扱われがちな題材を、あえてフィクションで描く方法はないか?と考えた結果、こうした作品づくりに取り組むことになりました。

また、フィルムメイカーとして、一緒にお仕事をする機会が持てなかったキャストやスタッフが、世界にはたくさんいるわけです。ですが、インターナショナルな作品だったら、そうした方たちとご一緒出来ますよね。これまでも自分は、皆さんが見てくださるような作品づくりができている。だから今後は、あまりフィルムメイカーたちが扱わないようなテーマの場合でも、皆さんに見てもらえるような作品を作るだけのスキルがあるんじゃないかという自負はあります。

――今後の作品も楽しみにしております。今日はとても貴重なお話をありがとうございました!

Huluオリジナル「コンコルディア/Concordia」
配信開始︓⽇本独占配信中(毎週⾦曜新エピソード更新/全6話)
ショーランナー 兼 製作総指揮︓フランク・ドルジャー
監督︓バーバラ・イーダー
脚本︓ニコラス・ラーシュ マイク・ウェルデン アイラ・ヴァン・トリヒト
出演︓ルース・ブラッドリー ナンナ・ブロンデル クリスティアーネ・パウル シュテヴェン・ゾヴァー 中島健⼈ ほか
著作権表記︓©Hulu Japan
公式HP︓https://www.hulu.jp/static/concordia/

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