盲導犬使用者(ユーザー)と盲導犬の支援や、チャリティーグッズの企画・販売を行う一般社団法人盲導犬総合支援センター(横浜市)は、盲導犬ユーザーへのサポートの説明が書かれた「声かけパンフ」を2017年から配布している。このほど、配布数が120万部を突破した。
盲導犬ユーザーと盲導犬がより安心で安全に歩ける街を目指してスタートした「声かけパンフ」の配布。「盲導犬がすること、しないこと」「盲導犬ユーザーと盲導犬がどのように目的地を目指すのか」「主な困りごと」「『お手伝いしましょうか?』の声の掛け方」「盲導犬ユーザーがうれしかった声掛けエピソード」。これらを、図解式に分かりやすくまとめ、小学校中学年ぐらいの子どもも読めるよう、難しい漢字を減らし、ルビを振っている。「声の掛け方」の説明は、声を掛けるその時からお別れの時まで、ステップ形式で表現している。
チャリティーグッズ通販購入者やイベントでの配布のほか、支援企業による配布協力などを通じて活動を広げている中で、盲導犬ユーザーからは、「声を掛けられることが増えた」「信号待ちをしていると、青になったことを教えてくれた人が居て安心して渡ることができた」「工事をしていて道の様子が違った時、誘導の人が分かりやすく教えてくれた」などの声が寄せられている。
また、声かけパンフを読んだ人からは、「こうやって声を掛ければ良いのだと分かった」「話しかけ方が分からなかったが、『盲導犬を連れた方』と言えば良いのだと分かってスッキリした」「パンフを読んでいたから、実際に声掛けして手引き誘導を頼まれた時、自信を持ってお手伝いができた」などの声が届いているという。 良い方向への変化が感じられる一方で、不便や課題もまだまだ多く残る。飲食の注文や入場チケットの発見などにタッチパネルが主流となり、セルフレジなども増加。技術の革新が、視覚障害のある人に不便をもたらしている面もある。このような場面では、周囲に居合わせた人たちの見守りや「お手伝いしましょうか?」の声掛けが重要になる。
次に目標に掲げるのは150万部配布。声かけパンフ(A4四つ折り・105×148mm)は「盲導犬サポートSHOP」から無料で取り寄せできる(送料別)。盲導犬総合支援センターは、学校・会社・イベントなどでの配布の協力を呼び掛けている。