Q. レンジで調理するのは危険ですか?「マイクロ波」が心配です
Q. 「時短調理にも便利なので、電子レンジをよく使っています。先日、家に来た友人にレンジで作れる料理のことを話すと、やめたほうがいいと言われました。火を使わずに食品を温めるのは、自然な方法ではないし、『マイクロ波』が通過した食品は危険なのだそうです。話を聞いてから心配になってしまったのですが、実際に、使い過ぎは体に悪いのでしょうか?」
A. まったく心配いりません。マイクロ波が残ることもないので、安心してください
電子レンジが「マイクロ波」という電波によって、食品を温めているというのは本当です。「マイクロ波」は目に見えず、イメージしにくいため、何となく「放射性物質」のような危険なものと混同してしまう人がいるようですが、まったく心配はいりません。「マイクロ波」を使うと、食品中の水分をこするように動かすことができます。ごく簡単に言うと、水分が高速で左右に動かされることで摩擦が生まれ、食品が温まるというしくみです。
マイクロ波は、電灯と同じようなものです。部屋の電灯のスイッチをオフにしてみてください。スイッチを切った後、部屋のどこかに、電灯の明るさが残ったりするでしょうか? それと同じで、レンジのスイッチが切れた時点で、庫内や食品の中に、マイクロ波が残ることもないのです。
目に見えないものは、しばしば人を不安にさせますが、科学的なしくみを正しく理解できていれば、不安になることはありません。マイクロ波を含む「電磁界」のしくみや安全性については、中立的な機関である「電磁界情報センター」のサイトなどでも詳しく解説されていますので、不安が強い方や、興味のある方は、納得できるまで一度調べてみるとよいと思います。
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
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