日没が早い初冬の頃。夕方にはもう暗く、自宅に帰るまでの道を心細く感じることもありますね。街灯が多い道ならまだしも、そうでない場合は近所のお宅の灯りが頼りになることも。
そうしたなか、ひと際の目を引くのが家の外壁や庭などに飾られた、明るいイルミネーションです。クリスマスシーズンが近づくとよく見られる光景です。
どんどん派手になる電飾。飾る家の気持ちがわからない?
『この時期、イルミネーションを飾っているお家があるけど、何のためにやっているの? 窓から眺めているのかなと思いきや、窓のシャッターはがっちり閉まっている』ママスタコミュニティに寄せられた疑問です。投稿者さんの近所ではお隣同士が競い合うように、どんどん派手になっているのだとか。しかし、窓のシャッターを閉じていては家のなかから見ることはできません。家人が楽しめないのに、なぜイルミネーションを飾るのか? 改めて考えてみると、たしかに動機が不明です。
『実家近くにもすごい家が1軒ある。広い庭中に飾り付けしてあって、近所の人もなかに入って見ている。常時何十人も見学しているから、まるで観光地。最近は回覧板で「よろしければ、ご来場ください」と点灯スケジュールのお知らせも回ってくる』届いたコメントのなかには、近所のイルミネーション事情を教えてくれるものもありました。わざわざご近所にお知らせして見に来てもらうレベルになると、もはや世のため人のため。注目されて喜んでもらえることがうれしくて、どんどんエスカレートしてしまったのだと想像できます。
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『地元にテレビ取材が来るほど有名になった通りがあって、たくさん車が来るように。それが危険だと苦情が出て、一斉に取りやめになったよ』ご近所さんが歩いて見に来る程度なら問題がなくても、有名になりすぎるとこうした弊害があるようです。通りを挟んだどちらの側も、ド派手なイルミネーションが20軒ほど連続して点いていたそう。わざわざ遠方から見に来る人がいるのも、納得です。
灯りは帰宅時の癒やし。クリスマスムードも盛り上がる
興味のない人からすれば、面倒なだけにも感じられるイルミネーション。「電気代がすごいんだろうな」「電気代が20数万円かかると聞いたよ」といった声もありました。LEDにすれば多少の費用は抑えられそうですが、そもそも飾り付けをする手間がかかります。
『うちはサンタが壁を登る電飾だけ点けているけど、帰宅するときに癒される。息子は家を出るときと帰宅時に、サンタに話しかけている(笑)』自宅に飾っているみなさんが、その回答をくれました。ド派手なイルミネーションをしているお宅はなかったものの、「門の前のシンボルツリーだけ」「ソーラー式のライトだけ」などそれぞれの飾り付けを楽しんでいる様子です。
家のなかにいれば外壁や庭の飾り付けは見えませんが、帰宅したときに見るイルミネーションが癒やしになるといいます。1日頑張ってようやく家に着いたときに迎えてくれる、きれいな電飾。数メートル先から目に入り「あ、わが家だ」とホッとすることもあるでしょう。家に入るまでのほんの一瞬かもしれませんが、たしかに飾る意義はありそうです。
『子どもが喜ぶから。クリスマス時期は、帰ってくるのが毎日楽しみになるみたい』
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『近所にクリスマスやハロウィンのとき、庭だけでなく家そのものを飾っているお宅がある。亡くなったお子さんのために、毎回やっているらしい』遠い空の彼方から眺めても、すぐにわが家を見つけることができます。心温まるお話です。
飾る場合はご近所に配慮を。イルミネーションを迷惑に思う人もいる
『隣家が毎年イルミネーションをやっているんだけど、うちの窓からそのチカチカがまぶしい。迷惑している』見る人を楽しませるイルミネーションですが、状況によっては迷惑に感じる人もいます。この方のように隣家の電飾の灯りが常に目に入る環境にいれば、とくにでしょう。厚手の遮光カーテンなどで対策はできそうですが、隣家の楽しみのためにわざわざお金を出して対策をしなくてはいけないのは、どうにもモヤモヤが募ります。
手っ取り早いのは隣家にクレームを入れることですが、トラブルを起こしたくない気持ちもあるでしょう。「せめて21時には消灯してもらえませんか?」などと、点灯時間を検討してもらうのもおすすめです。飾る場所をこのお宅の窓から見えない位置に変更してもらうのも、一案。直接申し入れるのに抵抗があるなら、町内会や住んでいる自治体などに相談して「イルミネーションに配慮を」といった広報をしてもらってはいかがでしょうか。
『夜にキラキラしているイルミネーションを見ると、気持ちが温かくなるよ。どこかがやっていたらクリスマス〜年末だなぁと感じて、なごむ』
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文・鈴木麻子 編集・すずらん イラスト・猫田カヨ