“親の七光り”のレッテルを貼られるなど、なにかと批判を浴びやすい“二世タレント”。しかし、ここ最近、デビュー直後ながら高い好感度を誇る二世タレントが目立っている。
たとえば、イタリアの名門大学・ボッコーニ大学に在学しつつ海外大学への留学や受験のサポートなどを行う企業2社を経営する実業家で、YouTuberとして活動している「柚木蘭丸」が、12月5日、動画内で今後は活動名を本名の「岸谷蘭丸」に改名することを発表。同時に自身の親は、俳優の岸谷五朗(60)と、元プリンセス・プリンセスの岸谷香(57)であることを明かした。
今まで本名や親の存在を隠していた理由について、蘭丸氏は「芸能人2世として見られたくなかった」「親に迷惑をかけたくなかった」などと話している。そんな蘭丸に対し、ネット上は応援ムード一色だ。
また、元モーニング娘。の辻希美(37)の長女である希空(のあ)(17)が、インフルエンサーとして活動していくことを宣言したのも記憶に新しい。希空についても、ネットニュースのコメント欄などでは好意的な声が多数を占めており、批判的な声は少ない。
親の知名度はインフルエンサーや芸能人として活動していくには、魅力的な後ろ盾といえるが、使い方次第で追い風にも逆風にもなる。多くの二世タレントを見てきたコラムニストのおおしまりえさんに分析してもらうと、批判の分かれ目は「土台づくりと、親のパワーを使う回数が重要」だと語る。詳しく聞いた。
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■自分の力でどこまで土台を作ってきたか
辻希美さんの長女の希空さんを始め、最近はネット発の二世タレントが増えています。
時代の流れだなと感じる一方で、彼ら彼女らが批判を浴びるかどうかは、大々的なデビューまでの準備期間に、親をどこまで介在させたかが重要なポイントとして挙げられます。
希空さんであれば、キッカケは親のYouTubeチャンネルだったとはいえ、その後自身の特技であるお菓子づくりに特化したInstagramを開設。現在は62万フォロワーを獲得する活躍ぶりです。またTikTokでの活動も顔出しをしない頃から行なっていて、すでにファンを獲得済です。今さら顔出し&事務所に所属して「ちゃんと活躍します」と宣言しても、親の七光りといった批判が集まる状態ではないのはわかるでしょう。
蘭丸さんについても、親の名前を隠してYouTuber、TikTokerとして活動してきたほか、自身で事業を行うなど、すでに独り立ちしている印象があります。そのうえで、二世であることを明かしても、これらの実績はやっかみの対象とはなりにくいです。
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一方で比較対象として挙げられるのが、木村拓哉さんと工藤静香さんの娘であるKoki,さんとCocomiさんです。彼らはもともとデビューを大々的に行う目的で、それまでSNS等で一切の露出がなされていませんでした。
デビュー時は大きな注目を集めたものの、本人たちの魅力が親の名前のインパクトほどには伝わりませんでした。そのため、親の名前やアシストが情報として独り歩きすることとなり、現在も一定の層からは批判的な目で見られているのは言うまでもありません。
■親は「起爆剤」でも使用回数が好感度に影響アリ
個人としての実績がないにもかかわわらず、Koki,さんが『ELLE japon』の表紙を飾ったり、「ブルガリ」や「シャネル」のアンバサダーに就任したり、Cocomiさんが『VOGUE JAPAN』の表紙でモデルデビューしたりとなると、やはり親の影響力を勘繰ってしまうのが世間というものです。2人の場合、その後も個人での目立った実績や代表作が生まれていないことも、”二世批判”を長引かせる要因となっています。
芸能人の親というのは、芸能活動をする上では大きな“起爆剤”になり得ます。しかしその使用回数は、当人の実績や知名度がなければないほど好感度に悪影響を及ぼすため、注意が必要です。
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希空さんや蘭丸さんが今後どういった活動をされるか定かではありませんが、例えば仮に御本人のチャンネルに親が出てきたり、親子共演を頻繁にするようなら、今後は批判の声も出る可能性があるでしょう。
■“その人”でちゃんと勝負していけるかが長期的な成功の鍵になる
二世だろうがコネがあろうが、長期的に見ればその人自身が何を目指し、何を発信していくかで成功は分かれます。そこでは強力な親のパワーもいずれ効果を失います。
同時に、一定の知名度やポジション、実績やファンを得てしまえば、その先で親と共演しようがバックアップがあろうが、基本的にそれは大きな批判にはなりません。ここを理解して親の存在を後ろ盾として考えるか、ないものとして頑張るかを考えることは、その人の戦略であり、その後の人生にも大きく影響があるのではと思います。
過去には元横綱の貴乃花親方の息子、花田優一さん(29)が、二世として番組内でデビューし、靴職人として活動していくことを宣言していました。当時はタレントにならないことで好感を得ましたが、その後タレントや歌手、俳優など活動内容がブレたことで批判を集めました。
スタートダッシュで靴職人を親の知名度に乗せてアピールしたところまでは良かったですが、自分の活動がその後ブレては意味がありません。結局持ったものを活用するか、無駄にするかは、本人の力量なのかもしれません。
今後も二世タレントの数は増えていくでしょう。どんな売り出し方がなされるか、注目です。
(文:おおしまりえ)
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