Netflixリアリティシリーズ『あいの里 シーズン2』全20話が配信中だ。「35歳から60歳の男女が人生最後の恋を求めて、ラブ・ヴィレッジにある古民家で自給自足の共同生活を送る」というコンセプトの本シリーズ。第2弾もさまざまな視点から反響を呼んだが、シーズン1に続きプロデュース・演出を務める西山仁紫氏に人選のポイントや、番組づくりのねらいを聞いた。
【写真】藤田ニコルの母・パチゆみも恋
これまでにない“キラキラしない”リアルすぎる恋愛ドキュメントバラエティのシーズン2。「本気で結婚相手・人生のパートナーを探している35歳〜60歳の男女」という条件で初めて公募した。重視するポイントは「とにかく、『恋をしたい』『結婚する相手を見つけたい』『人生最後のパートナーを見つけたい』という強い意志がある方」と西山氏。
「番組は面白いだけじゃダメだなと思っていて、面白いプラス『ためになる』『勉強になる』番組を作りたいとずっと思っています。番組をご覧になった方が、それぞれ全く違った人生を歩んだ男女の姿を見て、自分の人生と比べたり、自分を投影したり、そこから学んだりして、『人生とは何か!?』を考えさせる番組を目指しています。そのためには住民には人間的な魅力があることが大事なので、さまざまな人生経験を経てきた人を選ぶようにしています」と解説する。
参加したのはスポーツジムの経営者、美容師、漫画家、元商社マン、食育トレーナー、元レスキューパイロット、舞台俳優、秘書、音楽教室の先生などバラエティーに富んだ人選で、なかにはタレント・藤田ニコルの実母であるパチゆみも参加したが、番組終盤ではパチゆみを含む50代女性の恋の行方にも注目が集まった。
「今回は50代の住民を多くすることによって、シーズン1で描けなかった50代の恋愛を期待していたのですが、思ったようにはいかなくて(笑)。マンハッタンも、タナさんも、オーディションで言っていたことと違って、最初は若い女性にいってしまった(笑)。でも、最終的には50代の恋愛を撮ることができました。50歳は老年期の青春である、と言ったエラい人もいます。これからの人生の残りハーフをどう生きていくかという人たちをしっかり描きたいなと思っていました」とねらいを明かした。
むき出しの人間ドラマが見どころとなる今作だが、西山氏はもともと「他人の恋愛に全然興味がなかった」という。「ただある時に『人間を撮るためには恋愛を撮ることがいちばんの近道』ということに気づいたんです。恋愛している姿を撮ると、かっこいい姿だけじゃなくて、ダメなところも含めた素顔が撮れるんですよね。人間は欠点だらけの生き物だけど、そこが魅力だと思う。そもそも、そこがスタートだったので、『あいの里』は他の恋愛リアリティショーよりもドキュメンタリーに近いかもしれない。一人ひとりのネガティブな部分が撮れている、人間くさい番組だと思います」と客観視。
最後に「『あいの里』では視聴 “体験”をしていただきたいと思っています。住民に自分を重ねて、人生体験をして、ただ番組を見るだけではなくて、視聴体験をして、自分の人生、これからの人生についていろいろ考える、そんなきっかけにしてもらえるとうれしいです」と呼びかけた。