深夜の校庭で生徒死亡=整備車両横転から1カ月―無施錠、「管理ずさん」・埼玉

3

2024年12月13日 21:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

 スポーツ強豪校として知られる私立埼玉栄高(さいたま市)で11月、男子生徒4人が深夜の校庭でグラウンド整備用の軽乗用車を走らせ、横転して1人が死亡する事故が起きた。鍵は車内で保管されており、学校側はずさんな管理だったとして謝罪。事故から間もなく1カ月となるが、保護者らからは同校の管理体制を疑問視する声も上がっている。

 事故は11月16日午後11時20分ごろ発生。生徒4人が校内の寮を抜け出し、整備用車両で校庭を走行中に横転。死亡した2年生の男子生徒(17)は助手席の窓から身を乗り出しており、頭を強く打って搬送先の病院で亡くなった。4人は運転免許を持っていなかった。

 同校によると、車両はサッカー部の整備用で普段は監督やコーチが運転。複数人で使うため、車内の小物入れなどに鍵を入れ、ドアは施錠していなかった。学校側はこうした管理実態を把握していなかったという。

 県警によると、事故前に校庭を複数回周回していたことがタイヤ痕から判明。押収した生徒のタブレット端末からは、以前もこの車両を運転している動画が発見された。事故を起こした生徒4人は、サッカー部以外の所属だった。

 事故を受け、埼玉県教育委員会は中学などを含む県立学校全176校に、車両の管理状況を緊急点検するよう通知。71校で計113台が使われていたが、鍵を車内に置いていた学校はなかった。

 同校は同月20日に保護者説明会を開き、事故の経緯や生徒の心のケアについて説明した。3年生の息子が通う50代の父親は「当たり前の管理をしていれば防げた事故だと思う」と首をかしげた。

 埼玉栄中・高を運営する学校法人「佐藤栄学園」の田中淳子理事長は「責任は校長と管理職、理事長にあることは明確」として謝罪。管理体制の見直しと生徒らの心のケアに努めるとしている。 

このニュースに関するつぶやき

  • 50代の父親は「当たり前の管理をしていれば防げた事故だと思う」とあるが「深夜の校庭で無断で他人の車を乗らないという当たり前の感覚があれば防げた事故だと思う」
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ニュース設定