闘病中の子を支える家族を応援 プロ野球選手2人がドナルド・マクドナルド・ハウス東大訪問

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2024年12月16日 11:40  OVO [オーヴォ]

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東大ハウスを訪れ記念撮影に応じる巨人・山瀬慎之助さん(手前左端)とヤクルト・内山壮真さん(手前右から2人目)=東京都文京区のドナルド・マクドナルド・ハウス東大、2024年12月15日

 入院中の子どもを支える家族が1日千円で利用できる東京大敷地内の長期滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス東大」(略称・東大ハウス、東京都文京区、12家族滞在可能)を12月15日、巨人・山瀬慎之助さん(23)とヤクルト・内山壮真さん(22)のプロ野球選手2人が訪問し、利用者らと懇談するなどして東大ハウスの社会的役割への理解を深めた。

 2人は、東大ハウスの藤本弥与生・ハウスマネジャーから、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を冠した入院児童の家族用長期滞在施設が、米フィラデルフィアで地元マクドナルド店のオーナーなどが協力して1974年に誕生した第1号を皮切りに現在世界45カ国に計390余りあることや、施設運営を多くのスポーツ選手らが支援している歴史などの説明を受けた後、施設内のベッドルームやバスルーム、キッチンなどを見学した。


 利用者家族との懇談では、白血病の治療で入院した娘の小陽さん(5)の看病で東大ハウスを現在利用する千葉県柏市の井手真澄さん(45)と息子の朝陽くん(7)のほか、かつての利用者で現在東大ハウスのボランティアとして活動する女性4人の話に耳を傾けた。

 2人は、白血病に立ち向かう子どもを全力で支える家族の強い思いや東大ハウスが家族の心身の大きな支えになっていること、闘病中の子どもたちがスポーツ選手の活躍に病気に立ち向かう勇気と元気をもらっていることなどを聞いた。


 山瀬さんは「胸が痛い。一般の人より耳目を集めるプロ野球選手の1人として、多くの人に低額で利用できる家族用長期滞在施設の必要性を知ってもらえるよう、力になりたい」と話した。

 内山さんは「プロ野球選手が闘病中の子どもたちに勇気と元気を与える存在と教えられ、前から持ち続けていたプロ野球界で活躍したいという気持ちにさらに新たな思い、動機が加わった。自分は未熟な選手だが、一人前の選手になって子どもたちに元気を与える存在になりたい」と語った。

 現在東大ハウスを利用する井手さんは、娘の小陽さんが白血病の治療で東京都内の病院に入院した今年の6月から東大ハウスを利用し始めた9月下旬までの期間、柏市の自宅と東京都内の病院を往復する日々を振り返った上で、東大ハウス利用後の心境をこう語った。

 「朝早く自宅を出て病院に向かい、日中は入院中の娘に付き添い、夜に帰宅する毎日。娘の病気の心配や息子(=朝陽くん)の相手を十分できない不安、毎日往復の体の疲れなど、人一倍頑張ってきたものの、心身共に限界に近づいていたと思う。その時、病院の近くで長期滞在できる施設を探したが、ホテルなどの長期滞在は高額で経済的に難しかった。東大ハウスの利用後は、毎日の自宅との往復がなくなり、週末は夫と息子が都内に来て、夫が入院中の娘に付き添い、私は東大ハウスで息子と過ごす。施設内のキッチンを利用して作った料理を息子と一緒に食べことができる。東大ハウスに家族全員で娘の病気に立ち向かえる環境をつくってもらい感謝している」

 息子の朝陽くんは「ママに会えなくてとても寂しかった。今は週末に一緒に過ごせるからうれしい」と話す。この日は、内山さんから、サイン入りのヤクルトの帽子をサプライズでプレゼントされて喜んでいた。


 プロ野球選手でつくる「一般社団法人日本プロ野球選手会」(東京都中央区)は社会貢献活動の一つとして、今回の東大ハウスをはじめ全国12カ所にある低額の長期滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」と小児患者の家族用休憩室「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」1カ所の計13施設の維持運営を願い、2020年のシーズンから毎年、寄付を続ける。

 24年の今シーズンは、寄付の趣旨に賛同した12球団・40人の選手が拠出した計1154万2千円を、ハウスとファミリールームを運営する「公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」(東京都新宿区)に寄付している。賛同した選手は、1本塁打5万円、1安打・1登板・1試合出場各1万円など、各自が活躍度合いに応じた寄付金額を自主的に設定したという。

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