チェルシーを率いるエンツォ・マレスカ監督が、好位置につけている状況でも今シーズンはタイトル争いをする準備ができていないと語った。15日、イギリスメディア『フットボール・ロンドン』が伝えている。
プレミアリーグ第16節が15日に行われ、チェルシーは直近の直接対決は5戦未勝利(2分け3敗)と苦手なブレントフォードと対戦。43分にマルク・ククレジャのヘディング弾で先制すると、80分にはニコラス・ジャクソンが追加点をマーク。90分には1点を返されたが、最後までリードを守り切り、2−1で勝利を収めた。
この結果、チェルシーはリーグ戦5連勝、公式戦では7連勝(10戦無敗)を達成。1試合未消化となっている首位リヴァプールとの勝ち点差を「2」に縮めたほか、3位アーセナルとの勝ち点差を「4」に広げることに成功している。
今シーズンはここまでプレミアリーグでチーム最多の37得点を記録するなど、今夏から就任したマレスカ監督の下で新たなスタイルを築いているチェルシー。2020−21シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)を制覇したものの、プレミアリーグで最後に優勝したのは2016−17シーズンとなっており、好調なチーム状況から、8シーズンぶりのリーグ制覇に早くも期待がかかっている。
それでも、先日からタイトル争いについて何度も聞かれているマレスカ監督は、就任1年目の今シーズンはまだその準備ができていないと言及しているが、暫定ながら首位と勝ち点「2」差まで詰め寄っている状況でも改めて、チームには改善点がたくさんあることを強調した。
「たとえ何試合に勝ったとしても、タイトルを争う準備はできていないと思う。その理由の一つは(他の)チームがタイトルを争う方法を知っているからだ。彼らは私たちが失点したようなゴールを許すことはない。私たちは90分に自分たちのスローインから失点したが、タイトルを勝ち取る方法を知っているチームはそれを許すことがない。これが私たちがタイトルを争う準備ができていないと言い続けている理由の一つだ」
「たとえあなたが私を信じなかったとしても、あるいは私がそう言っているだけのように思っても、タイトルを争うプレッシャーは大好きだと何度も言ってきたが、多くの理由で私たちは準備ができていない。その理由の一つが、失点を許し、試合をオープンにして相手に勝ち点を獲得するチャンスを与えてはならないということだ」
それでも、ファンがタイトルを獲得するという夢を見てはならないのかと聞かれたマレスカ監督は「ノー、ノー、ノー。タイトルについて話すことはできるし、もちろんファンはタイトルを夢見ることができる」と語りながら、自身の意見は変わらないことを主張した。
「私に聞かれたら、私がどう思うかを答えるだけだ。でも、あなたは別の方法で考えることができる。どれだけの試合に勝とうが私にとってはまだ準備ができていない。だが、ファンが夢を見てくれることは嬉しいことだと思っているよ」
2022年の突然のオーナー交代も影響して、直近2シーズンはリーグ戦12位、6位と低迷していたものの、大幅な選手の入れ替えに加え、今夏から就任したマレスカ監督の戦術とマネジメントによって今季は好位置につけているチェルシーだが、果たしてこの好調を継続させることはできるのだろうか。
【ハイライト動画】チェルシーvsブレントフォード