久しぶりにChatGPTを起動したら「GPT-3.5」という選択肢が消えていて驚いたという方もいるだろう。OpenAIは、5月にフラグシップの「GPT-4o」、7月に小型版の「GPT-4o mini」を発表しており、従来の上位モデルだった「GPT-4」が既にレガシーモデルという扱いになっている。
それぞれの新モデルについて、OpenAIのリリースには、性能やクレジットの消費量、APIを含めた挙動や今後の対応を含めて、詳しい特徴がもろもろ記されている。しかし、一般ユーザーがWebサイトやアプリから生成AIを使うという観点では、正直良く分からないものだ。そこで、実際に基本的な挙動を確かめることで、ユーザー視点での実像を確認していきたい。
なお、これらの新モデルのうち「GPT-4o」(ジーピーティー・フォー・オムニ)については過去記事で概要を解説している。本稿では「GPT-4o mini」(ジーピーティー・フォー・オムニ・ミニ)の概要に焦点を絞りつつ、両者の挙動を比較しながらチェックしていきたい。
●GPT-4o miniとは
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GPT-4o miniは、7月にOpen AIが発表したAIモデルだ。ChatGPTを起動すると、使用する生成AIモデルを選ぶ部分で、選択肢として表示される。無料アカウント/有料アカウントを問わずに利用できるので、たまにChatGPTを使う人にとっても、日常的に利用しているヘビーユーザーにとっても理解しておきたい存在だ。
なお、OpenAIの発表では、その性能面についてテキストインテリジェンスとマルチモーダル推論の両方に関して「学術ベンチマークでGPT-3.5ターボやその他の小型モデルを上回っている」のように表現されている。
つまり、従来のGPT-3.5を無料で使っていた人にとっては、GPT-4o miniが性能強化版の新モデルだと理解しておけばよい。
●GPT-4o miniの特徴
実際にGPT-4o miniを選択した状態での挙動を確認してみよう。まず、「GPT-4oとGPT-4o miniの違い」について、それぞれのモデルで尋ねてみた。
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まず、GPT-4oを選択した状態で、上記の指示を行うと、小見だしや箇条書きを駆使しつつ、可読性の高い回答が生成された。内容も具体性を伴っており、ポイントを捉えていると感じる。
ただし、生成スピードはややゆっくりで、出力が終わるまでに短いながらも待ち時間はあった。ちなみに、GPT-4oに関しては、無料アカウントでは一定時間における利用回数が限定されており、有料プランではその利用可能回数がその5倍に増えるという制限の違いがある。
一方、GPT-4o miniを選択した状態では、箇条書きのみが使用された回答が生成された。内容については、やや抽象度が高くなり、4oのそれと比べると、理解しづらいものとなっている。ただし、生成スピードは速かったため、待ち時間は気にならなかった。
続いて、画像の生成を試してみた。前提として、筆者は有料の「ChatGPT Plus」を契約している状態だ。「GPT-4o」を選択した状態では、プロンプトで指示した内容のイラストを生成できた。
一方、GPT-4o miniを選択した状態では、イラストの生成を依頼しても、画像生成は実行されず、「イラストを描くためのガイド」としての情報がテキストで出力された。また、プロンプトを入力するテキストボックスには、クリップのアイコンも表示されず、データをアップロードしながらの指示は行えないようになっていた。
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●まとめ
GPT-4o miniの利用が適しているのは、回答の精度にこだわらず、出力スピードが速いとうれしい用途だ。一方で、多少の待ち時間は気にしないので、生成される内容の精度にこだわるという場合には、GPT-4oを選択しよう。また、例えば、有料プランユーザーであり、イラストを生成したり、ファイルをアップロードしてのデータ解析などを行いたかったりする場合にも、必然的にGPT-4oを選択することになるだろう。
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手書きvs.タイピング 脳活動比較(写真:ITmedia NEWS)173
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