元保育士に懲役１０年求刑＝弁護側は無罪主張、１歳園児暴行死―横浜地裁

　神奈川県平塚市の保育園で２０１７年、園児の女児＝当時（１）＝に暴行を加え死亡させたとして、傷害致死罪に問われた元保育士嘉悦彩子被告（４９）の裁判員裁判の公判が１７日、横浜地裁（奥山豪裁判長）であった。検察側は「女児がけがをした時間帯には、付近には被告しかいなかった」などと指摘し、懲役１０年を求刑した。弁護側は最終弁論で、女児に暴行は加えていないとして無罪を主張した。判決は来年１月１６日。

　検察側は論告で、女児の死因は後頭部に強い力を加えられたことによる外傷性くも膜下出血だと主張。女児の容体が急変した際、そばにいたのは嘉悦被告だけで、死亡は同被告による暴行が原因と訴えた。

　弁護側は、死因は肺のウイルス感染による突然死だと反論。公判で証人出廷した司法解剖医らも、くも膜下出血は死因とは無関係の可能性が高いと証言していた。