北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年の男女2人が男性に刃物のようなもので刺され、女子生徒が殺害された事件で、市教委は市立の幼稚園・小中高校などで16日に計4168人、17日も計2124人が欠席したと明らかにした。男性が依然逃走を続ける中、事件への不安などが理由という。
被害生徒が通っていた市立中は、16日の休校を経て17日に再開。生徒の多くは保護者の送迎で登下校した。全校集会を開いた後、アンケートや全生徒への個人面談を実施。中学校は18日以降も通常通り授業をするが、不調を訴える生徒にはスクールカウンセラーによるカウンセリングなどをして個別にケアするという。市教委によると、児童や生徒の不安による欠席の場合は欠席扱いとせず、希望があればオンライン授業などの対応を検討するという。
他の教育現場も警戒感を強めている。福岡県教委は、事件翌日の15日付で市町村教委などに複数人での登下校や防犯ブザーの利用などを指導するよう求める通知を出し、16日には新たに県立校を対象に部活動を中止するなど下校を早める対応を求めた。私立校では教職員を駅に配置するところもあるという。県教委の担当者は「子どもの安全を第一に対応したい」としている。
事件で亡くなった中島咲彩(さあや)さん(15)の告別式は17日、北九州市内で営まれた。同級生の女子生徒が「明るくて、みんなのムードメーカーだった」と語るなど周囲に親しまれた中島さんとの別れを惜しみ、この日も親族や制服姿の友人らが集まった。出棺時には多くの人が悲痛な面持ちで手を合わせていた。
中島さんの遺族は17日、県警を通じて中島さんの顔写真を提供した。県警は殺人容疑などで男性の行方を追っている。【山下智恵、山口響、成松秋穂、反田昌平】
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