ソフトバンクから国内FA権を行使した甲斐拓也が巨人へFA移籍した。
甲斐は10年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団し、13年オフに支配下選手登録された。14年に一軍初出場を果たすと、17年には103試合に出場し一軍に定着し、同年初めてゴールデングラブ賞を受賞すると6年連続で同賞を受賞。18年と20年にはリーグトップの盗塁阻止率をマークした。打っても3度のベストナイン(17年、20年、22年)を受賞。20年からは野村克也さんが現役時代に背負った背番号“19”に変更した。ソフトバンクでは正捕手としてリーグ優勝、日本一に何度も導いたが、日本代表選手としても19年のWBSCプレミア12、21年の東京五輪、23年のWBCの世界一に貢献。球界を代表する捕手へと成長を遂げた。
今回甲斐のようにパ・リーグに所属する球団からセ・リーグの球団にFA移籍した捕手を見てみると、甲斐を含めると6例あった。ソフトバンクでプレーした今季、甲斐は117試合でマスクを被ったが、他の移籍した5選手は移籍前のパ・リーグ球団で出場試合数が100試合に届いていない。
09年オフにロッテから横浜にFA移籍した橋本将は里崎智也との併用でロッテ最終年は94試合の出場。10年オフに楽天から阪神へFA移籍した藤井彰人は嶋基宏に正捕手を奪われたこともあり出場機会が8試合にとどまった。12年オフにオリックスから阪神にFA移籍した日高剛もオリックス最終年は52試合、17年オフに日本ハムから中日にFA移籍した大野奨太は16年に正捕手として日本一に貢献するも、17年は故障の影響で83試合にとどまったが、同年オフにFA権を行使して中日へ。18年オフに西武から巨人へFA移籍した炭谷銀仁朗は、長い間正捕手として君臨するも、同年打てる捕手森友哉の台頭で出場機会を減らし、巨人へFA移籍した。
セ・リーグ球団に移籍した後の選手をみると、藤井は移籍した阪神で、開幕直後は城島健司の控え捕手だったが、城島が故障で離脱後に出場機会を増やし、99試合に出場。盗塁阻止率も.310をマークした。その後、13年には112試合に出場し、リーグトップの盗塁阻止率.371を記録。阪神の移籍をきっかけに出場機会を増やした。
炭谷は故障の影響で離脱した時期もあったが、小林誠司、大城卓三との併用で、炭谷は41試合のスタメンマスクを被り、移籍1年目からリーグ優勝に貢献した。
パ・リーグの球団からセ・リーグの球団へ移籍し、新しいリーグの打者、投手の特徴や傾向、自チームの投手のことについて知る必要があるなど、やることが多い。その中で、甲斐は新天地でも正捕手として君臨することができるか非常に注目だ。
▼パ・リーグ球団からセ・リーグ球団にFA移籍した捕手
橋本将(ロッテ → 横浜)
09年:94試 率.234 本2 点27
10年:43試 率.246 本2 点13
藤井彰人(楽天 → 阪神)
10年: 8試 率.222 本0 点2
11年:99試 率.223 本2 点15
日高剛(オリックス → 阪神)
12年:52試 率.239 本1 点8
13年:44試 率.289 本2 点7
大野奨太(日本ハム → 中日)
17年:83試 率.221 本3 点13
18年:63試 率.197 本2 点10
炭谷銀仁朗(西武 → 巨人)
18年:47試 率.248 本0 点9
19年:58試 率.262 本6 点26
甲斐拓也(ソフトバンク → 巨人)
24年:119試 率.256 本5 点43
25年:?