台湾の馬英九元総統が中国からの招待を受け、18日から中国を訪問しています。今の頼清徳総統を“独立勢力”とみなす中国ですが、中国に融和的な姿勢の馬元総統を招待し、頼政権をけん制する狙いがあるとみられます。
台湾の馬英九元総統は18日午前、中国を訪問するため、台湾を出発しました。
26日までの日程で、黒竜江省哈爾浜市や四川省成都市などを訪れる予定で、現地の学生らと交流するほか、細菌兵器を製造していた旧日本軍の「731部隊」に関する展示施設も訪れる予定だということです。
台湾 馬英九 元総統
「両岸(台湾と中国)の平和の懸け橋を築き、険悪な政治状況を乗り越え、市民同士が交流を切望する気持ちを伝えることが総統経験者としての責任です」
馬元総統が中国を訪問するのは3回目で、今年4月には北京で習近平国家主席と会談しています。
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中国側は現在の頼清徳総統を“独立勢力”とみなし、軍事面や経済面で圧力を強めていますが、中国に融和的な姿勢の馬元総統を招待することで、頼政権をけん制する狙いがあるとみられます。
中国側は1992年に中国と台湾、両者の事務レベルが「一つの中国」の原則を口頭で確認したとされる「92年合意」を認めることを対話の前提条件としていて、馬元総統はこの合意を「堅持する」としています。
一方で、馬元総統はこれまで、「一つの中国とは『中華民国』のことを指す」と言及し、台湾の統治権も否定しておらず、中国側とは異なる見解を示しています。