ネット通販大手アマゾンジャパン(東京)は19日、ふるさと納税の仲介事業に参入すると発表した。全国の物流ネットワークを通じて返礼品を最短で寄付翌日に配送し、先行する仲介サイトと差別化を図る。仲介サイトの運営は多額の手数料収入が見込め、アマゾンの参入で利用者の争奪戦がさらに過熱しそうだ。
同日開設された専用サイトでは、約1000の自治体への寄付と約30万点の返礼品を取り扱う。まずは一部利用者が対象だが、段階的に誰でも利用できるようにする。返礼品の受取日時指定を可能とし、年内には翌日配送を数千点規模とする。
ジャスパー・チャン社長は記者会見で「アマゾンにしかできない方法で日本のふるさと納税を盛り上げたい」と語った。
総務省によると、2023年度のふるさと納税の寄付額は、返礼品の充実を背景に1兆円を突破。仲介手数料収入が見込めるため、IT企業のほか航空や鉄道、百貨店などの業種からも参入が相次いでいる。
同じネット通販では、楽天グループが15年に参入した。ポイント付与を武器に大手に上り詰め、約1700の自治体への寄付と約60万点の返礼品を取り扱っている。アマゾンはサイトの使い勝手向上などの準備に時間を要して後発となったが、配送を武器に追い上げを急ぐ。