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米南イリノイ大学カーボンデール校などに所属する研究者らが発表した論文「An Investigation of Force Potential Against the Companion Dog Neck Associated with Collar Use」は、犬の首輪とハーネス使用時の引っ張り力を比較調査した研究報告である。
実験方法として、28頭の飼い犬を対象に、約3.81cmの平らなナイロン首輪と、背中部分にリードを装着する一般的な胸部ハーネスを使用。対象となった犬は体重によって3つのグループに分類した。13kg以下を小型犬、14〜22kgを中型犬、23kg以上を大型犬として設定している。
研究チームは、実際の散歩中によく遭遇する3種類の環境刺激を用意した。それは「見知らぬ犬との遭遇」「食べ物の存在」「投げられたおもちゃ」である。これらの刺激に対する犬の反応をデジタル式の力量計を使って測定。力量計は首輪やハーネスとリードの間に取り付けられ、引っ張り力をニュートン(N)単位で記録した。
実験結果は、ハーネス着用時の平均引っ張り力は約60.5Nを記録し、首輪着用時の約37.81Nを大きく上回った。最大引っ張り力を比較しても、ハーネスは約198.84Nと、首輪の約162.80Nを明らかに超える数値を示した。
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さらに興味深い発見は、体重比での引っ張り力の違いである。小型犬は自身の体重の約122%もの力で引っ張ることが判明した。これに対し、中型犬は約85.8%、大型犬は約82.7%という数値にとどまった。つまり、体格の小さな犬ほど、体重との比率で強く引っ張る傾向があることが明らかになった。
Source and Image Credits: Joshua Bailey, Dakota Discepolo, Janice Baker, Erin Perry, An Investigation of Force Potential Against the Companion Dog Neck Associated with Collar Use, Journal of Veterinary Behavior, 2024, , ISSN 1558-7878, https://doi.org/10.1016/j.jveb.2024.10.007.
※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2
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