タクシーでほっこりした話 第5回 【漫画】タクシーでの出会いが教えてくれた、人の温もり

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2024年12月20日 10:01  マイナビニュース

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普段の生活から、旅行先での移動手段など、さまざまな場面で役立つタクシー。便利な移動手段だけではなく、ほっこりと心温まる場面に出会える場所でもあります。



この連載では、タクシーに乗った時の「ほっこりした」読者の体験談をマンガで紹介。タクシーにまつわる何気ない日常のエピソードをお届けします。



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○タクシーでの出会いが教えてくれた、人の温もり



夜の街は静まり返り、タクシーの車内には柔らかなラジオの音が流れていました。仕事を終えた帰り道、疲労感と共に車に乗り込んだ私は、数分走ったところで大事なことに気付いたのです。財布がない。



「どうしよう……」胸の中が冷たくなる思いで運転席の後ろに座ったまま、言葉を選ぶ時間が過ぎる。やがて覚悟を決め、運転手にそのことを告げました。



「すみません、財布を忘れてしまったようです」



ミラー越しに目が合いました。初老の運転手の顔は険しくもなく、驚きの色も薄かったです。ただ静かに微笑みを浮かべて言いました。

「そんなこともあるよね。今度でいいよ。ここに名刺の住所を書いておくから、後で送ってくれればいい」


その言葉にどれほど救われたか、恐怖と恥ずかしさが混ざり合っていた私の心は、不思議と落ち着きを取り戻しました。彼の名刺を受け取り、目的地まで無事に送り届けてもらったのです。



翌日、約束通り封筒に現金を包み、お礼の手紙とともに運転手の住所に菓子折りを持って訪れました。玄関先で再び顔を合わせた彼は、笑顔で迎えてくれました。



「お菓子なんて気を遣わなくてよかったのに」と軽く頭を振りながらも、その優しさは変わりませんでした。



人は困難に直面した時、誰かの善意に触れることがあります。その瞬間こそが、人生の中で最も心に残るものになるのでしょう。



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菅原県 すがわらけん 漫画家&イラストレーター。「週刊ヤングジャンプ」でデビュー。その後、実話系4コマ誌やニュースサイトなどでマンガを連載。あおり系LINEスタンプ「Mr.上から目線」シリーズの作者。 Twitter:@sugawaraken この監修者の記事一覧はこちら



調査時期: 2024年6月14〜15日

調査対象: マイナビニュース会員

調査数: 300人

調査方法: インターネットログイン式アンケート(MN ワーク&ライフ編集部)

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