日本ではその患者数が推計約1300万人にも上るといわれる、骨粗しょう症。
ジョンソン・エンド・ジョンソン メドテックは10月20日の「世界骨粗鬆症デー」にあわせてプレスセミナーを開催し、骨粗しょう症をテーマに日常に潜む骨折リスクやその予防について紹介した。
■骨粗しょう症によるリスクとは
WHOの定義によると、骨粗しょう症とは「骨の量が減って骨組織の微細構造が悪くなり、骨折しやすくなっている状態」を指す。
日本での有病率は、男性が約300万人、女性が約980万人で、女性に多くみられるのが特徴。特に70代以上の女性では、人口の半数以上が骨粗しょう症という状況だ。
九段坂病院 診療部長兼整形外科部長の大谷和之氏によると、骨粗しょう症になると、日常のちょっとした動きでも骨折しやすくなるといい、「植木鉢を持ち上げただけ」「家の中で尻餅をついただけ」で骨折するケースも少なくないという。
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骨粗しょう症による骨折は、要介護状態や寝たきりの原因となってしまうこともあることから、その対策が社会的に重要な課題となっている。
実際に要介護になる原因をみると、「認知症」「脳卒中」に次いで第3位に「骨折・転倒」が挙げられている。一方で、骨折は適切な対策により防げる可能性があるため、骨粗しょう症予防に取り組み、将来の要介護リスクを減らすことが重要だという。
■予防には運動と食事が重要
骨粗しょう症の予防には、年代に応じた取り組みが重要だ。若年期には健康的な生活習慣を心がけ、骨密度がピークとなる20歳前後での最大骨量を高めるように努めることが、老後にむけた「骨の貯金」につながる。
中高年期には喫煙・過度の飲酒を避け、定期的な検診を受けることが重要。
また、全年代を通じて適切な運動を心がけ、下肢の筋力と体幹の筋力をしっかり鍛えることで転倒を予防することが大切となる。
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骨粗しょう症の予防に推奨される食品は、カルシウム(乳製品、小魚、大豆製品など)を多く含む食品、ビタミンD(魚類、きのこ類)を多く含む食品、ビタミンK(納豆、緑色野菜)を含む食品、果物、野菜、タンパク質(肉、魚、卵など)。
一方、過剰摂取を避けた方が良い食品として、リンを多く含む食品(加工食品、清涼飲料水)、食塩、カフェインを多く含む食品、アルコールが挙げられた。
■自身の骨折リスクを把握し、適切な予防を
自身の骨の健康を知るうえでは、骨密度検査を受けることが重要となる。
また、将来の骨粗しょう症による骨折リスクを予測する「骨折評価ツールFRAX」が紹介された。年齢、BMI、過去の骨折歴、家族歴、生活習慣などから骨折リスクを算出することができる。
ジョンソン・エンド・ジョンソン フィットネスセンターでは、骨に刺激を与え、筋力・筋量も増やすことによって骨密度の維持・向上や転倒予防に繋げていくことを目的として、独自の予防エクササイズを発案。
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統括産業医 岡原伸太郎氏の監修のもと、足踏みやスクワットを取り入れた、日常生活の中で気軽に実施できる動きで構成されている。
骨粗しょう症と転倒による骨折を予防するエクササイズ(YouTube)
https://youtu.be/JalxbgcweRw