はるき悦巳氏原作『じゃりン子チエ』が、地元・大阪で舞台化されることが20日、発表された。松竹創業130周年記念として、大阪松竹座で来年11月15日〜24日に上演される。主人公チエは、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』で好演した澤井梨丘、テツは波岡一喜、ヨシ江は三倉茉奈が演じる。
【画像】「ウチ キンチョウするなぁ」…『じゃりン子チエ』舞台化で特別イラスト
ホルモン焼き屋の元気な小学5年生・チエちゃん(竹本チエ)を中心に、人情コメディーを織りなした。アニメ版では高畑勲さんが演出を手がけ、チエ役の中山千夏、テツ役の西川のりおらの声もハマり役となった。2019年には、大阪の本屋と問屋が選ぶ「ほんま本大賞」特別賞を受賞。これを機に順次新装版34巻が発売され、いまなお愛され続けている。
過去、複数回舞台化されてきたが、令和になってからは初めて。「ウチは日本一不幸な少女や」が口ぐせのチエが、正直で不器用ながら心優しい家族、友人・知人ら、そして猫たちに囲まれ、たくましく生きる姿が、世代を超えて、笑いと感動を生み出す。
チエ役に決まった澤井は大阪出身で、『ブギウギ』で主人公・花田鈴子の幼少期を演じて話題に。また、博打・ケンカ好きだが憎めない父・テツ役の波岡は天王寺区出身の個性派を生かし、チエにそっと寄り添うヨシ江役の「マナカナ」三倉は、ナニワの母としての魅力を発揮する。
このほか、テツどうしても頭の上がらない「花井先生」こと花井拳骨役は、過去にテツを演じたことがある赤井英和、近所のお好み焼き屋のオッちゃん役には、フリーアナウンサー・山本浩之が挑戦。屋根の上からチエを見守る飼い猫・小鉄役は、OSK日本歌劇団特別専科の桐生麻耶。さらに、竹本家にとって大きな存在のおバァはん役は落語家・桂南光で、女性役となる。
脚本は、関西演劇界を長くけん引し、チエの時代を知るわかぎゑふ氏。演出は、関西ゆかり作家たちが挑戦した「なにげに文士劇」で東野圭吾氏のミステリーを見事にまとめあげた、若手の村角太洋氏が担う。昭和の大阪の作品が色鮮やかに舞台上で表現する。
舞台化にあたり、原作のはるき氏が貴重な特別イラストを描き下ろし、公開された。チエが「舞台か…ウチ キンチョウするなぁ」、テツは「ワシなんともないで」とおなじみのやりとりが描かれている。