「Core Ultra 200Sプロセッサ」のパフォーマンスが安定しない? Intelが原因と対策を公表

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2024年12月20日 12:51  ITmedia PC USER

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Intel Core Ultra 200Sプロセッサ(アンロック版)のパフォーマンスの“ばらつき”はどうして起こった? どう対応する?

 日本では10月25日に発売されたIntelの「Core Ultra 200Sプロセッサ」(開発コード名:Arrow Lake-S)のアンロック版。PC USERでは同日、その最上位モデル「Core Ultra 9 285K」と、エントリーモデル「Core Ultra 5 245K」の先行レビューを公表した。


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 しかし、PC USERを含む各種メディアのレビュー(テスト)結果を見てみると、同じテスト内容でも結果が顕著にばらつき、結論も二分されてしまった。その結果はIntelの想定(内部テスト結果)とも異なったことから、当社では10月26日(米国太平洋時間、以下同)から調査を開始。12月18日に、調査結果と問題への対応状況を公表した。


●原因1:OSに適切なPPMパッケージが適用されていない


 最近のCPUは、OS(Windows)の電力設定によって挙動が大きく変動する。OSの設定は、CPUベンダーが提供するソフトウェアを通してCPUに反映される仕組みだ。ソフトウェアは「Perfromance and Power Management(PPM)パッケージ」と呼ばれており、Windows Updateまたはチップセットドライバに内包される形で提供されている。


 レビュー時、IntelはCore Ultra 200Sプロセッサ向けのPPMパッケージを適切に配信できず、CPUの動作に問題を起こすことがあったという。同社の調べによると、この問題では推定で6〜30%ほどのパフォーマンス低減を起こしていたとのことだ。


 この問題は、10月24日に配信されたWindows 11(バージョン24H2)向けの更新プログラムで解消された。


●原因2:Intel APOが効果を発揮しなかった


 Intel CPUでは、一部のゲームタイトルに対してパフォーマンスを最適化する「Intel Application Optimization(Intel APO)」というソフトウェアを配信している。


 Intel APOは、ゲームタイトルごとに最適化を実施しているのだが、Intelの調査によるとAPOを適用できる条件であっても、APO自身が「効果を発揮できない」と判断ししてしまい、最適化が実施されないケースが見受けられたという。この場合、推定で1〜24%のパフォーマンス低減を起こしていたとのことだ。


 本問題についても、10月24日に配信されたWindows 11(バージョン24H2)向けの更新プログラムで解消された。


●原因3:Epic Games製アンチチートツールの不具合


 ベンチマークテストをWindows 11(バージョン24H2)で実施した場合、Epic Games製アンチチートツール「Easy Anti-Cheat」を導入しているゲームタイトルでブルースクリーン(STOPエラー)が発生することがある。本件はCore Ultra 200Sプロセッサに直接関係する不具合ではないが、ベンチマークテストの結果に影響した可能性はある。


 本件について、Epic GamesはEasy Anti-Cheatの更新プログラムを開発済みだ。ただし、適用タイミングは開発者/タイトルごとに異なるので、詳細はゲームの開発元(または販売元)に確認してほしい。


●原因4:UEFI(BIOS)の設定ミス


 PCのファームウェアたる「UEFI(BIOS)」の設定は、CPUだけでなくPCI Expressバス、メモリのアクセス、Intel APOなど、PCのあらゆるパフォーマンスを大きく左右する。


 レビュー用に先行して貸し出された各社のマザーボードのプレビュー版UEFIには、「VIP設定」と呼ばれるIntelの推奨設定が施されている。しかし、一部においてUEFIを初期設定に戻すと、VIP設定の一部が正しく反映されないという問題が発生していた。Intelの推定では、本事案では2〜14%のパフォーマンス低下が発生したとのことだ。


 「Intel Z890チップセット」を搭載するマザーボードについては最新のUEFIを適用することで問題を解消できる。


●さらなる対策:UEFIの最適化(2025年1月前半予定)


 今回の調査を通して、Intelは新たなパフォーマンス最適化ポイントをUEFIに盛り込むことにした。この新たなポイントについては現在最終検証中とのことで、2025年1月前半にリリースされる予定だ。ただし、実際の適用時期は、マザーボードメーカーの開発状況によって左右されることがある。


 この新しい最適化が反映されている場合、CPUのマイクロコードは「バージョン 0x114」以降に、Converged Security and Management Engine(CSME)のファームウェアキットは「19.0.0.1854v2.2」以降になるという。


●今後の予定


 上記のアップデートによって、Core Ultra 200Sプロセッサは「意図された機能(パフォーマンス)を発揮」するという。本プロセッサのパフォーマンス改善策については、2025年1月8日に開幕する「CES 2025」でも発表される予定で、今回発表のものと合わせて「包括的なアップデート」として提示される予定だ。



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