広島市現代美術館で、本日12月21日から2025年4月6日にかけて「コレクション展2024年-III 『ハイライト+リレーションズ 西島大介:キャラクターの展開図』」が開催。美術館の収蔵作品を展示する「ハイライト」と、西島大介の個展を展開する「リレーションズ」の2部構成になっている。
【展示サンプル】東京・秋葉原ディアステージの看板「秋葉原ネオグラフィティ/スーパーディアガール」より。「リレーションズ」で実施される「西島大介:キャラクターの展開図」は、マンガ家デビュー以前を含む約20年間で西島が制作してきた“キャラクター”を見せる企画。マンガ家としての代表作「ディエンビエンフー」「世界の終わりの魔法使い」の関連展示ほか、読売テレビ(ytv)の公式キャラクター「シノビー&ニン丸」、広島市現代美術館のリニューアル休館を告知するべく制作された「無題さん(現:むだいさん)」、ベルナール・ビュフェ美術館の「ビュフェくん」、自画像「マンガっち」、ブロックチェーンの提唱者を題材とする「サトシナカモトの肖像」、東京・秋葉原ディアステージの看板「秋葉原ネオグラフィティ/スーパーディアガール」などが展示される。
西島はゲームクリエイターとしての顔も持ち、開発したインディーゲーム「SPACE INVADIANS」は筐体で展示。展示室内で実際にプレイ可能だ。そのほかのゲーム「むだいさんアドベンチャー」「フンくんさんぽ。〜マンガのまちのだいぼうけん〜」の試遊コーナも、美術館展示室外に設置。誰でも無料で遊ぶことができる。
会期中は関連イベントも複数開催。明日12月22日には、西島が作品や展示について会場を巡りながら語る「アーティスト・トーク〜『アートのきざし』を探しに〜」が行われる。4月5日には、西島と一緒にゲーム作りが体験できる小学生限定イベント「こどもゲームじゃむ〜作る・遊ぶ・配信する〜」を実施。そのほか、西島が手がけた読売テレビ放送公式キャラクター「シノビー&ニン丸」が遊びに来る「シノビーとおさんぽ。〜ひろしまゲンビ編〜(仮)」も予定。開催日未定の「シノビーとおさんぽ。」や、各イベントの詳細は広島市現代美術館の公式サイトで確認を。
■ 西島大介:作家あいさつ
2020年の12月、休館中の広島市現代美術館のために「むだいさん」(旧名「無題さん」)というキャラクターを作りました。「むだいさん」は寡黙ですが、現代アートの声を聞くことができる特殊能力を持っています。
ヘンリー・ムーア《アーチ》、オノ・ヨーコ《My Mommy Is Beautiful》、河原温《I GOT UP》ほか。広島市現代美術館のコレクション作品たちは、自らの来歴や価値について、それぞれの口調で「むだいさん」に語りかけます。
自分について雄弁に語る現代アート作品たち。これは「むだいさん」をマンガにする時に、自動的に発生した設定です。2024年にはRPGゲーム《むだいさんアドベンチャー》を制作。ゲームには目的が必要なので、ここで《アートのきざし》というアイテムが生まれました。
もし、アート作品自身が人間よりも芸術について詳しかったら? もしアート作品自身が芸術を証明する《アートのきざし》を身につけていたら? それは人間の思考を超えた、絶対的な芸術の証明になるはずです。現代アート作品は自分が「純粋な芸術」であることをあらかじめ知っていて、自分について議論したり値段をつけたりする人間を黙って見ているわけです。
キャラクターを作り、マンガやゲームに展開し、今回の展示を行うに当たって、このような理論・・・いや「真理」にたどり着きました。絵画、立体、マンガ、インディーゲーム。ここにある作品の「声」に耳を澄まし、《アートのきざし》を見つけてください。