日本郵便は12月23日、ヤマト運輸を相手に、損害賠償などを求める訴訟を起こしたと発表した。2社は2023年に小型・薄型荷物などの配送に関する協業に合意していたが、ヤマト運輸が日本郵便に対する運送委託の停止を一方的に申し入れ、その作業を進めたと主張。訴訟では、ヤマト運輸に合意に基づく運送委託の履行義務があることを確認すると共に、履行されない場合は120億円の損害賠償を求めるという。
25年2月に予定していた両社による新たな投函サービスの全国展開も、スケジュール通りの実施が困難になる見通しだ。
日本郵便とヤマト運輸が協業の合意を発表したのは23年6月。メール便や小型・薄型荷物の運送において、ヤマト運輸で受け付けた荷物を日本郵便の配達網で届ける取り組みを始めるとしていた。
これに伴い、ヤマト運輸は小型・薄型荷物の配送サービス「ネコポス」を23年10月から順次終了し、25年2月をめどに両社による新サービス「クロネコゆうパケット」に移行する予定だった。しかし日本郵便によれば、ヤマト運輸側のシステム対応などの遅れにより、移行に大幅な遅延が生じていたという。
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その後24年10月には、25年1月から当面の間、ヤマト運輸から日本郵便への運送委託を停止するとの申し出があったという。日本郵便は承諾しなかったが「すでに当社への運送委託の停止に向けたアナウンスや準備作業を進めているものと承知している」(日本郵便)として、運送委託の履行義務を確認すべく訴訟に至ったとしている。
一方ヤマト運輸は12月18日、クロネコゆうパケットへのサービス移行について「日本郵便への配達委託を進めるなかで、従前より(荷物を)届けるまでの日数が伸びている」と発表していた。この事態を受け、サービス移行に伴う配達委託のスケジュールを見直すよう日本郵便に申し入れ、協議を重ねているとしていた。
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