限定公開( 11 )
防衛装備庁は12月24日、電磁気力で物体を撃ち出す装置「レールガン」の最新の研究動向をまとめた資料を公開した。11月に開催したイベント「防衛装備庁技術シンポジウム2024」の講演で使ったもので、アーカイブ動画も同時に公開。電源の小型化に向けた展望などを紹介している。
レールガンは、電気エネルギーを利用して弾丸を発射する将来砲を指す。火薬を使う従来火砲の初速を上回る速度で弾丸を射撃できるという。電気エネルギーを利用することから、弾丸初速や威力、射程を調整できる他、弾丸サイズが小さいため探知・迎撃されにくいなどの特徴がある。
防衛装備庁は現在、レールガンを艦艇などさまざまな装備品に搭載可能にするため、電源部分の小型化を進めている。資料では主に、小型化に向けて採用を検討している技術を紹介しており、その一例として産業技術総合研究所が開発した「エアロゾルデポジション法」を挙げている。
エアロゾルデポジション法は従来不可能だったセラミックの薄膜を作成する技術。これまでコンデンサーに使っていた樹脂フィルムの代わりにセラミックフィルムを使うことで、同じ体積でより大きなエネルギーをためられるようになるとしている。
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レールガンの電源では大電流・高電圧を扱うことから、耐電圧性能などに優れた「パワー半導体」を活用した電源の小型化にも着目しているという。次世代のパワー半導体として期待される酸化ガリウムを使った半導体デバイスを活用すれば、理論上、他の材料よりも高い電圧を扱え、半導体の数を削減できるとしている。
同講演についてはITmedia NEWSでも記事を公開している。防衛装備庁は、シンポジウムで実施した他の講演のアーカイブ映像や、そこで使われた資料も公開している。例えば、戦闘を支援する無人機へのAI実装や、小型ドローンに対応するための高出力レーザー実現などに関する講演を閲覧できる。
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