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住宅街を歩いていると「どうやって生計を立てているのだろう」と心配になる小売店があります。例えば、1個80円のコロッケを売っている精肉店や、1枚50円の煎餅を売っている製菓店などです。
【写真】住宅街を歩いていると「どうやって生計を立てているのだろう」と心配になる小売店がある
このタイプの店は、決して繁盛しているようには見えず、住宅街にありますので商圏のニーズも知れています。
しかし、立地条件が悪い中でも日々元気に営業しています。社長が豪邸に住んでいたり、外国車に乗っていたりするくらいもうかっていることもあります。
●商圏外の販路をつくる
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その理由は、ご近所だけを相手にした商売ではないからです。
消費者から見ると、精肉店などは一般消費者を対象とする事業(B2C事業)に見えますが、もうかっている店は事業者向けの販路(B2B事業)も持っています。
精肉店であれば焼肉店向けに肉を卸すなどして、小売とは別の収入源を持っていることが多いのです。また、駅や繁華街から離れているなど、立地が悪い分、賃料などを安く抑えることができます。
地方の事業者も同じです。地方は土地が広いため、農作物を大量につくれますし、加工品などをつくる大きな工場もつくれます。ただ、大量につくっても地域の商圏だけでは売り切れません。
そこで重要なのが、B2B向けの事業モデルを考えてみることです。
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例えば、都市部の店舗などを販路にできれば、生産地域の商圏にとらわれることなく収入を伸ばすことができます。
生キャラメルで有名な北海道の花畑牧場はその一例です。
花畑牧場は北海道に4つの工場がありますが、それら全てで生キャラメルをつくっているわけではありません。
コンビニスイーツ、業務用のチーズ、豚肉の加工品などをつくり、これらB2B事業の収益を合わせて成長しているわけです。
新規事業を考え始めると、ついB2C事業を考えがちです。昨今はネットショップが普及したことでB2Cが伸びていますが、それでも14兆円ほどの市場で、一方のB2B市場は420兆円超です。
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このことからも、B2B事業の方が事業化の機会が多く、事業を成長させていける可能性もはるかに大きいといえるのです。
※この記事は、菅原由一氏の著書『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
●著者プロフィール:菅原由一(すがわら・ゆういち)
SMG税理士事務所・代表税理士。現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は登録者数80万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。
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