今年1月、羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突し、5人が死亡した事故で、海保機の機長が「滑走路に入って待機」するものと管制官からの指示を誤って認識していたと説明していることが新たにわかりました。
この事故は今年1月2日、羽田空港の滑走路で海保の航空機と着陸してきた日本航空の旅客機が衝突して炎上し、海保機に乗っていた5人が死亡したものです。
事故の原因を調べている国の運輸安全委員会がきょう、調査の途中経過を公表しました。それによりますと、海保機の機長は聞き取りに対し、管制官からの「誘導路を通って停止位置までいくように」との指示について、「滑走路に入って待機」するものと誤って認識したと説明していることが新たに明らかになりました。
海保機と管制官のやり取りは、機長と副操縦士が聞いていましたが、どちらも指示を誤認した可能性があるとしています。
事故前日には能登半島地震が起きていて、海保機は支援物資を運ぼうとしていましたが、管制官から離陸の順番を示す「ナンバー1」という指示について海保機の機長は、「災害派遣のため離陸を優先させてくれたと思った」と説明していることも明らかになりました。
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こうした誤認が重なり、誤って滑走路に進入し、事故につながったとみられています。
さらに、操縦席内の音声記録もテキストの形で初めて公開されました。
それによりますと、事故のおよそ30秒前に海保機に乗っていた通信士が能登半島地震に関する任務について、機長に対し「今よろしいですか」と声をかけ、機長らから「あー、後の方が良い」などという会話が行われていました。
一方、航空管制をめぐっては、海保機が滑走路に進入したことを伝える「滑走路占有監視支援機能」が作動し、事故が起こるおよそ1分前からモニター上で注意喚起がなされていました。
しかし、管制官は普段からこの機能に十分な注意を払っていなかったため、今回も気づくことができなかったとしています。
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運輸安全委員会は事故は複数の要因が重なったことが原因で起きたとして、今後、日本航空機側から海保機を認識できなかった要因など、さらなる調査を進めるとしています。