1日○杯以上は危険!?医師が教える健康効果の高い“コーヒー”の飲み方

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2024年12月25日 15:00  クックパッドニュース

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日常的にコーヒーを飲むことでさまざまな病気のリスクを軽減することができるなどとよく言われていますが、実は最新の研究ではその考えに少し変化が起っているようです。コーヒーを飲みすぎると、逆に病気のリスクが増加する可能性もあるとか…。そこで今回は、コーヒーと健康の関係性について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

“ろ過しないコーヒー”は良くない!?

煮出しやフレンチプレス、エスプレッソ、トルコ式コーヒーなど、ろ過をしないでコーヒー豆から出たコーヒーをそのまま飲む場合には、実はちょっと問題があります。

ノルウェーの研究で、不ろ過式のコーヒーを飲む人は、ろ過式のコーヒーを飲む人に比べて心臓病のリスクが18%高くなるという結果が出ています。

フィルターを使うことでコーヒーの油成分が除去されるのですが、コーヒー油の中にはジテルぺンといわれるカフェストールというものがたくさん含まれています。

カフェストールにはコレステロールを上昇させる可能性があり、結果的に心臓病のリスクを高めると言われています。

カフェインの含有量に関しても、ろ過しないコーヒーのほうがろ過しているコーヒーよりも高い傾向になります。

カフェインは血圧を高めたり、不眠症リスクや心臓病リスクを高めたりすることもあるので、ろ過していないコーヒーはあまり良くないのではないかとされていました。

“血糖値”のコントロールにも影響する可能性

ただ、カフェストールはインスリンの分泌を増加させて、ブドウ糖の取り込みを亢進することが観察されていて、血糖値のコントロールを良くする効果があるとも言われています。

実際にマウスのモデルを使ってみたところ、インシュリンの感受性が改善して血糖値を低下させることも報告されています。

ところが、人にも12週間カフェストールのサプリメントを摂ってもらったところ、血糖値の改善もないし、インシュリンの感受性も変わらないという結果でした。

そのため、いろいろな反論もあるとは思いますが、コーヒーはろ過したほうがいのではないかというのが現時点での結論です。

1日4杯以上のコーヒーは健康リスクが生じる

これまでは、コーヒーをたくさん飲めば飲むほどガンや糖尿病、心臓病、認知症などのリスクを予防する効果があると報告されていましたが、最近の研究では少し変化が起き始めています。

1日に4杯以上のコーヒーを飲む人は、初めて脳卒中になるリスクが37%増加すると報告され、炭酸飲料、フルーツドリンク、そして1日4杯以上のコーヒーが、脳卒中または脳内出血のリスクを有意に増加させるという分析結果が出ています。

炭酸飲料は脳卒中または脳出血のリスクを22%増加させ、フルーツドリンクは脳出血のリスクを37%増加させるとのこと。

コーヒーをたくさん飲むのは良くないというのは、カフェインが血圧を上昇させたり、脳卒中のリスクを高めたりする可能性があるという点です。

でも、コーヒーには有益なポリフェノールもたくさん含まれていて、炎症を抑えたり、抗酸化作用があったり、動脈硬化を予防したり、血管機能を改善したりする効果があるので、1日3杯くらいまでなら健康効果が高いと言えるでしょう。

(TEXT:山田周平)

▼動画でもっと詳しく知る

画像提供:Adobe Stock

石黒成治先生


消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。

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