記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、世の中はクリスマス一色ですが、今やサブスクの登場で影を潜めつつある平成の象徴的な音楽メディアのCDも、かつては重要なクリスマスプレゼントでした。そんな平成のクリスマス商戦に登場したバラエティ豊かなCDを紹介したいと思います。
まずは平成版「なめ猫」ともいうべき、本物の猫がクリスマスソングを歌って話題となった「ジングルキャッツ」。
LA在住のサウンドエンジニアだったマイク・スパラという男性が1991年に飼い猫の鳴き声を切り貼りした『ジングルベル』を制作し、それが好評だったことから2年をかけて9匹の猫によるクリスマスキャロル集を作りました。
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日本では94年10月に『ミャリークリスマス』という邦題のアルバムが発売され人気となり、シングルCDまで発売されたほどです。
翌95年もクリスマスシーズンにCDを発売。裏には「CDを聴いてると飼い猫が歌い出したりスピーカーのカバーをズタズタに引き裂く可能性もあります」といった注意書きまで。
そして、95年にはなんと犬バージョン『ジングルドッグ』にも発展。マイクさんの親友がマネをして犬版を作ったのですが、それに納得できずマイクさん自ら作ってしまったそうです。00年代に流行した鼻デカ犬の写真THE DOGが猫版のTHE CATに展開したのと逆の現象でした。
ほかにもサンリオのハローキティや、ますむらひろしさんの「アタゴオル」を使った日産自動車の非売品のものなど、猫によるクリスマス関連CDは多数発表されています。非売品といえばモスバーガーがクリスマスソングを公募して選んだ楽曲のシングルCDもありました。
さらに宝塚歌劇団による『タカラジェンヌのCHRISTMAS』は、宝塚のスターたちが歌うクリスマスソング集です。
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平成のJ−POPにおいてクリスマスソングは多数発売されましたが、それ以外にもいろいろなCDが発売されていますので探してみましょう。
撮影/山下メロ