高校サッカー選手権では誰を見るか? 「サッカーを知っている」「予選で21得点」など魅力的なMF&FW12人を紹介

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2024年12月27日 07:30  webスポルティーバ

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第103回全国高校サッカー選手権大会 注目選手紹介 MF&FW編

12月28日から始まる第103回全国高校サッカー選手権大会で、見逃せないMF&FW12人を紹介。育成年代のサッカーを長年取材してきているフリーライターの土屋雅史氏、森田将義氏のふたりが、魅力的な選手たちを挙げた。

前編「注目選手 GK&DF編」>>

嶋本悠大 
しまもと・ゆうだい(MF/3年/大津・熊本県/180cm、67kg)

「昨年と比べてスケール感が増した、本当にいい選手です。プロからは今年の高体連でも大人気だった選手で、複数チームの練習に参加したいみたいです(清水エスパルス入団内定)。一番の特徴は大事なところで点が取れること。僕が見に行った試合では毎試合、ポイントになるゴールを決めていました。間違いなくうまい選手だったのですが、より結果を出せる選手になってきたと感じます。これからさらに伸びるのではないでしょうか」(土屋氏)

「予選決勝で感じたのはクレバーさです。結果を残すにつれて相手の警戒が強まったのですが、『相手に持ち味を消されたらチームのために頑張ろう』と守備を献身的に頑張れる。状況を的確に判断しながら、ここぞという場面で特長を出せるというのでしょうか。サッカーを知っている選手だとあらためて感じました。かつ我の強さ、負けん気の強さを持っているのもいい。優しい子なのですが、サッカーになるとスイッチが入る感じです」(森田氏)

大内完介 
おおうち・かんすけ(MF/3年/尚志・福島県/170cm、64kg)

「シーズン当初、仲村浩二監督が『今年のチームで一番プロに近い』と評していた選手です。プレミアリーグEASTの前期はかなり苦しんで、スタメンから外れる時期もありましたが、後期の流通経済大柏戦でハットトリックしてから得点できるようになり、最終的には8点を奪いました。右サイドからカットインして放つ左足シュートが持ち味ですが、縦に抜けるプレーもできるのは強い。間違いなく攻撃の中心です」(土屋氏)

「右からカットインしていく左利きのアタッカーは多いのですが、彼は縦にも行けるので相手は止めにくい。東北新人で見た際、『スピードで相手を抜いていくプレーが成長した。サイドをちぎっていくプレーもできる』と話していたのが印象的でした」(森田氏)

石井陽 
いしい・はる(MF/3年/前橋育英・群馬県/158cm、62kg)

「この1年、本当に頑張った選手です。前橋育英のエースナンバーである14番を背負う上にキャプテン。絶対的な中心選手にならなければいけないなか、チームメイトに『そんなに厳しいことを言うの?』と思われる時期もあったそうですが、2年前に同じ立場だった徳永涼(現・筑波大)も同じ状況になっていました。彼の姿を見ていたので、葛藤がありながらもスタンスを貫いた結果、チームが上り調子になりました。インターハイ予選で負けたリベンジを果たして、選手権予選で県の頂点に立てたのは、彼のキャプテンシーがすごく大きかった気がします」(土屋氏)

亀田歩夢 
かめだ・あゆむ(MF/3年/流通経済大柏・千葉県/168cm、58kg)

「夏に大阪で行なわれたフェスティバルで、初めて見て驚いた選手です。すごくうまい。中学3年生までフットサルとかけもちしていただけあって、足元の技術が高く遊び心も感じられます。余裕を持ちながらプレーしているので、ドリブルとパスの選択肢を持ちながらゴールに向かっていけるのがいいですね。榎本雅大監督から聞いたのですが、カターレ富山(入団内定)に練習参加した際、富山の選手が彼のプレーに見とれていたみたいです」(森田氏)

「今年の流通経済大柏は柚木創など面白いタレントがたくさんいるのですが、そのなかでも異彩を放つ選手。ボールを持ったときのファンタジー感というか、ワクワク感が相当高いですね。小柄な彼が技術を突き詰めてプロの世界で活躍してくれたら、いろんな人に影響を与える気がします」(土屋氏)

福本一太 
ふくもと・いった(MF/3年/阪南大高・大阪府/175cm、70kg)

「今大会でも上位に入るボランチです。フランス代表のエンゴロ・カンテを憧れの選手に挙げる通り、元々は相手ボールを刈り取る守備的なタイプ。ガツガツ相手に行ける守備が魅力だったのですが、3年生になってから『自分がやらなければいけない』という思いが強くなり、ゴールへのこだわりが増した結果、得点数も増えました。濱田豪監督からの信頼も絶大で、予選準決勝で彼をベンチに置いた理由について『彼がいない決勝はあり得ない。(警告の)累積を避けるためにベンチに置いた』と口にするほど。誰が出ても攻撃力が落ちないのが今年の阪南大高の強みですが、彼だけは替わりがいません」(森田氏)

高岡伶颯 
たかおか・れんと(FW/3年/日章学園・宮崎県/166cm、61kg)

「とにかく速くて裏抜けからシュートまで持っていけるし、ひとりでゴールまで持ち込むこともできる。前に出て行けるのは、世界のどこに行っても大きな武器になります(サウサンプトン入団内定)。プレーはもちろんですが、何より人間性がいい。聞いたことに対して、すごくちゃんと答えてくれる。世界に羽ばたいていくタレントなので応援したいです」(土屋氏)

「負けん気の強さや上昇志向の強さが彼の特長で、これほどハングリーな選手はなかなかいません。求める基準が高いのでチームメイトへの要求も強くなりがちですが、みんな彼のことを認めているのが印象的です。インターハイは直前のケガで試合に出られないのはわかっていたのですが、チームメイトが『伶颯と一緒に戦いたい』と原啓太監督にお願いして、登録メンバーに入れてもらったほど」(森田氏)。

山下景司 
やました・けいじ(FW/3年/大津・熊本県/176cm、68kg)

「ゴール前の嗅覚に優れた"ザ・点取り屋"で、シュートがうまい。それに背後への抜け出しがうまく、ゴール前のどこにボールがこぼれてくるかをよくわかっている。何より今年の大津は周りからいいボールがたくさん入ってくるので、止めようがない。有力な得点王候補です」(森田氏)

「3月にサニックスカップで見た時、チームの完成度がすごく高くて、今年の大津は彼がどれぐらい点を取るかで上に行けると思っていましたが、蓋を開けてみたらプレミアリーグWESTで20得点。横浜FCユースとのファイナルでも2点をマークし、日本一に導きました。特長だと感じるのは浮き玉の処理。上がったボールをしっかり自分がコントロールできる範囲に落とせるので、ポストプレーもできる」(土屋氏)

石川大也 
いしかわ・だいや(FW/3年/青森山田・青森県/172cm、68kg)

「シーズン当初はBチームに所属し、プリンスリーグ東北でプレーしていたのですが、5月に初めてAチームで出た試合で点を決めてからは、ほぼ全試合でスタメン。正木昌宣監督が『今年のチームで一番信頼できる選手。雑草魂の象徴』と絶大な信頼を寄せるストライカーです。印象に残っているのはアウェーでの川崎フロンターレU−18戦で、負けた後に彼が号泣している姿を見て、熱いものを持っているなと感じました。シーズン後半に入ってチームの一体感が出て、強くなっていった象徴が彼だと思っています」(土屋氏)

竹花龍生 
たけはな・りゅうせい(FW/3年/明秀日立・茨城県/175cm、73kg)

「昨年は交代出場が主で、メインキャストではなかったのですが、インターハイの準々決勝で決勝ゴールを決めるなど印象的なゴールが多い選手でした。キャプテンと10番を任された今年は、いろんなポジションができる選手なのでボランチもやりながら、チームに貢献できる形を探っていたように感じます。特長はドリブルで、パワフルに前へと運んでいける。チームにエネルギーを与えるタイプです」(土屋氏)

オノノジュ慶吏 
おののじゅ・けりー(FW/3年/前橋育英・群馬県/176cm、68kg)

「身体能力を生かした推進力が売りですが、昨年はサイドバックでも起用されるなどポジションが定まらない印象でした。今年はケガもあってスタメンで出られない時期もあったのですが、途中から試合に出て点が取れるように。特にプレミアリーグEASTの後期は得点感覚が開花して、チームメイトから『慶吏がなんとかしてくれる』という安心感が出てきました。彼もムードメーカーで、キャラクターがいい。昨年も選手権の初戦で2点取っていて、前橋育英躍進のカギは彼が握っていると思います」(土屋氏)

加藤隆成 
かとう・りゅうせい(FW/3年/帝京大可児・岐阜県/175cm、67kg)

「1年生から10番を背負い、インターハイ、選手権合わせて6度の全国大会でプレーしてきたストライカー。得点感覚に優れた選手で、裏抜けが抜群によくてシュートもうまい。今回の予選では21点も奪っています。今年はスペースを消して包囲網を敷くチームが多く、苦戦している印象が強かったのですが、それでも冷静さを保ち続けた。背後を消されるならとポストプレーでおとりになりながら、タイミングよく裏を抜けてインターハイでもハットトリックを記録。選手権でも大暴れしてくれるはずです」(森田氏)

門田翔平 
かどた・しょうへい(FW/3年/高知・高知県/169cm、63kg)

「昨年のインターハイで2年生ながら優秀選手に選ばれたストライカー。もともと得点感覚には目を見張るものがあったのですが、今年に入ってから身体が強くなり、前線でボールを収めるだけでなく、力強くゴール前に入っていけるようになりました。大きかったのはインターハイ予選での敗退。守備を固めた相手からゴールを奪えず、悔しさから1本のシュートにこだわって練習してきた成果も感じます。身長は169cmですが、体格がよくてそれ以上の存在感を感じます」(森田氏)

<土屋雅史氏の注目選手>
MF/大内完介(尚志)、石井陽(前橋育英)、柚木創(流通経済大柏)、堀川隼(静岡学園)、嶋本悠大(大津)、桑原壮汰(新潟明訓) 
FW/石川大也(青森山田)、竹花龍生(明秀日立)、三鴨奏太(堀越)、オノノジュ慶吏(前橋育英)、高岡伶颯(日章学園)、山下景司(大津)

<森田将義氏の注目選手>
MF/嶋本悠大(大津)、亀田歩夢(流通経済大柏)、福本一太(阪南大高)、笹修大(札幌大谷)、岡野錠司(岡山学芸館) 
FW/高岡伶颯(日章学園)、大石脩斗(鹿児島城西)、加藤隆成(帝京大可児)、門田翔平(高知)、山下景司(大津)

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