2024年は「楽天モバイル+日本通信」がベストな組み合わせだった ベストスマホは23年発売の「Pixel 8」

0

2024年12月27日 11:21  ITmedia Mobile

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia Mobile

つながらない箇所はアプリ「my楽天モバイル」から報告できる。筆者もできるだけ報告しているが、電波が悪い場所ではそもそも報告の送信ができないので諦めることもある

 2024年も残りわずかになりました。今年もスマホ業界では料金の変更や新端末の発売などさまざまことがあり、それに合わせて契約回線を変えたり、端末を機種変更したりした人も多いでしょう。そこで今回は筆者のメイン回線/サブ回線やメイン端末の遍歴をたどりながら、2024年を振り返ります。


【その他の画像】


●メイン回線は年間を通して楽天モバイル


 まず、筆者のメイン回線は年間を通して楽天モバイルでした。2023年2月にOCN モバイル ONEから乗り換えて以来、ずっとメインで使っています。


 メインにしている理由は料金の安さに加え、何よりRakuten Linkにより国内通話がほぼ無料でかけ放題の点です。筆者は通話の機会は少ないものの、たまに長電話をすることがあり、通話料金が意外に高くて驚くことがありましたが、楽天モバイルなら安心です。


 また、筆者はいわゆる楽天経済圏にどっぷりつかっており、楽天モバイルの契約で各サービスがよりお得になるのも魅力です。ネット通販も以前はAmazonばかりでしたが、最近は楽天市場を使う割合が増えました。楽天モバイルや楽天経済圏に対する満足度は高く、他社への乗り換えはしばらくなさそうです。


 ただし、通信品質はまだ万全とはいえません。普段はそれほど不満はありませんが、たまにY!mobile、UQ mobileやahamo、povo2.0、LINEMOを使ってみると、やはり楽天モバイルより安定感が高いと感じます。楽天モバイルは特に筆者の自宅近くにある商店街のカフェや飲食店に入るとつながらないことが多く、今でもサブ回線の備えは欠かせません。


 また、筆者の毎月のデータ使用量は4GB前後です。楽天モバイルの最強プランはデータ使用量が3GBまでなら月額1078円(税込み、以下同)ですが、3GBを超えると月額2178円に上がってしまいます。そこで、楽天モバイルでのデータ使用量は3GB未満に抑え、残りの1GBはサブ回線でまかなう体制をとっています。


●povo2.0のギガ活のau PAY利用特典が終了


 サブ回線として、2024年上半期まで重宝していたのがpovo2.0です。povo2.0のギガ活というサービスの中に、対象店舗でau PAYを使って買い物をするとデータ容量が無料でもらえる特典がありました。筆者は対象店舗であるローソンやドトールコーヒーをよく利用していたため、サブ回線のデータ通信はギガ活でもらった無料のデータ容量でまかなえていました。


 しかし、残念ながら2024年6月末でau PAY支払いによるデータ付与の特典が終了してしまいました。povo2.0には1GB(180日間)で1260円といった副回線に適したトッピングが用意されているものの、これまで無料だったものが有料になるのは抵抗が大きく、このタイミングで副回線の見直しが迫られました。


 ちなみに、11月19日にはローソンに来店するだけで100MBのデータ容量(最大月10回)がもらえる「povo Data Oasis」も開始しました。ただ、こちらは付与後すぐに24時間の有効期間が開始するため、ギガ活のようにデータ容量をストックし、好きな時に使うことはできません。


●楽天グループの株主優待をサブ回線にするも、大きな誤算


 povo2.0の次に副回線に選んだのは、何と楽天モバイルです。もともと楽天グループの株主優待で、音声通話と月30GBのデータ容量が1年間無料で使えるeSIMをゲットしており、これを活用することにしました。


 本来、サブ回線はメインとは異なるキャリアを選ぶのが定石ですが、メインもサブも楽天モバイルという謎の組み合わせです。ただ、月30GB使える株主優待eSIMをデータ通信に使うことで、データ使用量を気にせずに思い切り使えるようになりました。


 ただ、すぐにトラブルに見舞われました。そもそも、株主優待eSIMには楽天モバイルで契約したeSIMとは異なる点があり、その1つがeSIMの機種変更手順(eSIMを他端末に移す手順)です。


 楽天モバイルのeSIMはマイページから簡単に機種変更できますが、株主優待のeSIMは問い合わせ窓口に電話連絡して機種変更用のQRコードが載った用紙を郵送してもらう必要があります。そのQRコード用紙の発送が大幅に滞っているようで、筆者はeSIMの再発行申請から3カ月たった現在でも用紙が届いていません。7月に機種変更した際にeSIMを移すことができず、その後、株主優待用のeSIMは活用できませんでした。


 この株主優待は2025年も実施します。いろいろと制限はあるものの、音声通話と月30GBのデータ容量が1年間無料で使えるのは非常にお得なので、筆者は2025年も株主優待を利用しようと思っています。しかし、eSIMの機種変更手順が現状のままであれば、選択可能なら次回は物理SIM(pSIM)を選ぶつもりです。


●2024年のベストサービスは「日本通信」 最強のサブ回線に


 楽天モバイルの株主優待eSIMが使えなくなったため、再びサブ回線を見直す必要に迫られました。そこで選んだのが日本通信です。日本通信の「合理的シンプル290プラン」は月1GBのデータ容量が月額290円と激安です。楽天モバイルで特に困っていた自宅近くの商店街はドコモ回線の電波が入りやすいことからも、日本通信をサブ回線にすることにしました。


 実はギガ活の無料データ特典終了時にも日本通信をサブ回線にするか検討したものの、昼や夕方の速度低下がネックで見送っていました。しかし、2024年夏頃から日本通信を含めたMVNO全体の速度が向上したようで、筆者の使用エリアでは最も利用が増える昼12時台でも最低限のことはできるようになりました。口コミなどを調べると都心部ではまだまだ1Mbps以下になることもあるようですが、筆者のスマホ利用は通勤時に電車内でSNSを見るくらいなので、あまり影響はありません。


 それ以降、現在もメイン回線は楽天モバイル、サブ回線は日本通信の合理的シンプル290プランです。


 個人的に選ぶ2024年のベストサービスは日本通信です。もともと料金は最安値級でしたが、2024年10月にahamoが料金据え置きでデータを増量した「ahamoショック」後にさらに実質的に値下げし、圧倒的な安さになりました。通信速度は万全とはいえないものの、安さを重視する人には一番オススメの通信サービスです。筆者のようにサブ回線にするのもよいでしょう。


 2024年は月20GBや月30GBの容量帯の競争が激しく、年後半には「ahamoショックを契機とする30GBの値下げ競争」も話題になりました。値下げ競争はよいことですが、個人的には月6GBや月10GBあたりでも同様の競争が起きてくれればうれしいなと思っています。


●2024年のスマホ遍歴 Pixel 8の安さに飛びついた


 続いては筆者のスマホ遍歴と、2024年に話題になった端末について振り返ります。筆者が2024年にメイン端末を変えたのは1回だけです。7月に、2023年から使っていたGoogle Pixel 6から、Google Pixel 8に機種変更しました。


 Google Pixel 6は性能面では全く不満がなかったものの、購入から1年以上経過し、ややバッテリーの持ちが悪くなってきたように感じていました。そのタイミングで、Y!mobileでGoogle Pixel 8がMNPなら一括2万9800円という安さで発売され話題になったため、飛びついてしまいました。


 Google PixelシリーズはPixel 3以降、5、6、8とメインで使ってきましたが、全体的に気に入っています。最近やや不具合が多い気がするものの(自身のメイン端末なので積極的に情報を集めているからそう感じるだけかもしれませんが)、性能もデザインも満足で、今後もたまに浮気しながらもメインとして使い続けるでしょう。


●Googleストアの下取り価格がたびたび話題に


 ただ、Google Pixelシリーズは過去には性能の割に価格が安いのが特徴でしたが、最近はだんだん価格が上がってきました。Google Pixel 9シリーズもそれ相応の価格で、過去のようにコスパが高いとはいえません。


 その代わりに、2024年に何かと話題になったのがGoogleストアのセールです。Google Pixelシリーズは通常価格が上がったものの、Googleストアで頻繁に実施するセールでは端末の高額下取りに加えて高額のストアクレジット付与により、かなり安い実質価格で購入できるようになりました。「Xperia XZ1 Compact」や「iPhone SE(第3世代)」の下取り価格が異常に高く設定され、中古スマホ店やフリマアプリから在庫が消えたのも記憶に新しいです(iPhone SE 第3世代はその後キャンセル)。


 そのせいか、Google Pixel 9シリーズの一部の機種は発売直後に中古スマホ店に大量の未使用在庫が積みあがっているのが話題になりました。マーケティング的に成功だったのか、心配してしまいます。


●2024年に話題になったのは20万超えのあの機種


 筆者は使用していないものの、2024年に発売されたスマホで印象的だったのが「Xiaomi 14 Ultra」です。ライカと共同開発したクアッドカメラが高性能で、約20万円という高価格ながら筆者の周りのスマホ好きも購入した人がたくさんいました。スマホ背面上部にあるどでかい円形のカメラや、別売の「フォトグラフィーキット」を装着できるなど、マニア心をくすぐる要素がちりばめられています。もはや「カメラにスマホ機能がついている」と言ってもいいくらい、カメラに注力した1台でした。


●スマホの性能はもう十分? AIって本当に便利なの?


 一方で、最近はスマホ買い替えの需要喚起が難しくなっていると感じます。既に一般ユーザーが必要なレベルは満たしており、進化の余地が少なくなったように思います。性能が上がった最新機種を買っても、ほとんどの人は前作との差が分からないというレベルまで来たのではないしょうか。筆者は自身の運営サイトで一括2万円前後のエントリー機種もレビューしますが、最近はどの機種でもそこそこの写真が撮れます。CPU性能も、重い3Dゲームをしなければ多くの人はミドルレンジで十分でしょう。


 2024年に発売されたハイスペックスマホのアピールポイントはほぼAIでした。しかし、AIがどれだけアピールになっているか疑問です。少なくとも筆者には響きませんでした。AI、AIとアピールされる割に、スマホにAIが搭載されて便利になった実感はなく(消しゴムマジックくらい?)、将来的にどう便利になるかも見えていません。


 iPhone 16シリーズも「Apple Intelligence」を前面に打ち出していますが、それを見るたびに「Apple Intelligenceが使えるからiPhone 16を買おう」と思う人が世の中にどれくらいいるのだろうと疑問に思います。そもそも日本語はまだ対応していないのに、今からアピールしてどれだけ効果があるのでしょうか。むしろ「それしか目新しいアピールポイントがないのでは?」と邪推してしまいます。


 バッテリーの性能向上でスマホが長く使えるようになったうえ、最近発売されたスマホは長期のシステムアップデートが保証されていることも多いです。今後、スマホはブレークスルーが起きない限り、積極的に新しい端末を買う人が減っていくのではないかと危惧しています。


 以上、2024年の振り返りでした。筆者が本誌で執筆するようになってから間もなく2年です。2024年もたくさんの人に読んでいただき、本当にありがとうございました。Yahoo!ニュースのコメント欄も毎回楽しみにしています。2025年も引き続き、読んだ人が「自分に合うものを、より安く」選ぶのに役立つ情報を提供していくので、どうぞよろしくお願いします。


著者プロフィール


シムラボ


 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。


・Twitter(現X):@simlabo_jp


・サイト:https://www.simlabo.jp/



    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定