<全国高校ラグビー大会:京都工学院112−0聖光学院>◇1回戦◇27日◇大阪・花園ラグビー場
74年に赴任し、翌年にラグビー部監督に就任した「泣き虫先生」山口良治総監督(81)が、フィフティーンの勇姿を見届けるため、車椅子姿で来場した。
試合後に取材に応じた山口総監督の第一声は「忌まわしい昔を思い出しましたよ。112対0で負けた花園との試合を思いだして」
就任後初の公式戦となった75年5月17日の京都府春季総体。伏見工は強豪の花園高校に大敗した。くしくもスコアは0−112だった。
悔しさをバネにチームは躍進。全国優勝4度を誇る名門となっただけに、相手の聖光学院に「彼らもきっとこの大会がいい意味で悔しさにつながって、チームが成長してくれるとうれしい」と配慮した。
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チームはその後、学校統合により16年に校名変更。9大会ぶり21度目、現校名では初めての出場を果たした。
「長かったですね。でも、今のチームも優勝した時のキャプテンの大島(淳史)が監督をして、そのまま伏見の魂を受け継いでくれていますから、子どもたちも『信は力なり』という言葉はしっかり受け止めてくれておると思います」
一方で、試合内容には「細かなミスが多いのは気になってます。上に行けば、ミスを許してくれない厳しさがある。ミスを反省して上に向かってほしい」。総監督として、しっかりと注文を付けた。
花園出場決定の際は涙ぐんだが、この日は涙はなかった。
「新しい歴史をこれからも築いてくれると思います」
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花園に舞い戻った伝統の紅黒ジャージーの姿を心から喜び、さらなる活躍を期待していた。【阪口孝志】
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