体操部の練習中の事故で重傷を負ったのは学校側が安全配慮義務を怠ったためだとして、静岡学園高校(静岡市)の当時2年生だった元生徒(23)と両親が、同校を運営する学校法人に計約2億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日までに東京高裁であった。増田稔裁判長は生徒側の請求を棄却した一審静岡地裁判決を変更し、約2億2000万円の支払いを命じた。
判決によると、元生徒は2018年3月、つり輪の練習中に前頭部からマットに落下し、障害が残った。顧問の教諭は横で演技を見ていたが、つり輪の下に補助者を配置していなかった。
増田裁判長は、元生徒が事故前にも落下したり尻もちをついたりすることがあったと指摘。「30年ほど体操部のコーチ、監督を務めた顧問教諭は事故発生を予見することが可能で、補助者を配置すべき注意義務があった」と認定し、学校法人は使用者責任を負うと判断した。