元日の能登半島地震、翌日の日航機と海保機の衝突という波乱の幕開けとなった2024年。その後も、大谷翔平が電撃婚&「50-50」達成、与党が衆院選で大敗、トランプ前大統領が返り咲くなど、国内外問わず衝撃的なニュースが相次いだ。そこで、本誌が目撃してきた2024年のスクープのなかでも、とりわけ反響の大きかったものを改めて紹介する。
今年6月下旬に、国賓として天皇陛下とイギリスを訪問された雅子さま。パレードやチャールズ3世国王夫妻主催の晩餐会など様々なイベントが行われるなか、ギリギリまで模索されたのが、がん闘病中のキャサリン妃とのご対面だ。その背景には、お二人の似た境遇が――。(以下、女性自身2024年7月2日号)※年齢は掲載当時のママ
「イギリスは天皇皇后両陛下に国賓として、最上級のおもてなしをご用意しております」
6月12日の記者会見でそう語ったのは駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏だった。6月22日から29日までの日程で英国を訪問される天皇陛下と雅子さま。出発が目前に迫っている。
「25日に歓迎行事や、馬車のパレード、チャールズ3世国王夫妻が主催する晩餐会が行われます。
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またそのほかに、『ヴィクトリア&アルバート子供博物館』で、両陛下のためにロンドンで大人気の舞台『となりのトトロ』のショート版を上演する計画もあるそうです。英国としては、日本の文化がいかに英国に浸透していて愛されているかを、ぜひ両陛下にご覧になっていただきたいということでしょう」(皇室担当記者)
英国内でも歓迎ムードが高まっているというが、実現の可否が模索され続けている懸案がある。
「それは天皇皇后両陛下とキャサリン妃のご対面です。キャサリン妃は今年3月に自らSNSで、がん闘病中であることを明かしました。6月15日に開催された王室の伝統祝賀行事には出席しましたが、現在も化学療法を続けており、『調子のいい日と悪い日があります』と、本人がメッセージで言及しているのです。
6月上旬時点では、両陛下の訪英に関係する公式行事には欠席するとのことでした。雅子さまもキャサリン妃の体調を、とても心配されているそうです。ご自身の過去と、キャサリン妃の現在の苦境を重ね合わせていらっしゃるのでしょう」(前出・皇室担当記者)
一部週刊誌は「以前のような役割を果たすことはもうないかもしれない」という関係者の証言を掲載しており、キャサリン妃の病状には世界中が注目している。
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■英王室と英国民は雅子さまに同情を
英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう語る。
「キャサリン妃は昨年末から病状を公表せず、国民の前にも姿を見せなかったことで、一部からバッシングを受けていました。
3月にがんを公表したことで、バッシングは収束の傾向にありますが、“公務ができない皇太子妃”という批判が完全になくなったわけではありません」
がんと適応障害、病状は異なるが、雅子さまも思うようにご公務を行うことができない時期があり、苦しまれた。そのような雅子さまの苦境に同情的だったのが、英王室と英国民だったのだ。
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「’08年に英高級紙『タイムズ』は雅子さまの闘病生活についての記事を掲載しています。“米国の名門・ハーバード大学で学びながら、制約の多い皇室の生活で精神的に押しつぶされてしまった”と、雅子さまに対して同情的な内容でした」(前出・皇室担当記者)
また前出の多賀さんによれば、
「英国民はもともと日本の皇室への関心が高く、雅子さまが長年にわたって療養されていることは、日本人が意外に思うほど広く知られています。雅子さまが外務省に勤務されていたことも高く評価されていて、そうした方が皇室という特別な環境に入られ、適応障害になられたことに同情的な声が多く上がっていたのです」
’11年にキャサリン妃がウィリアム皇太子と結婚した後、英国政府は王位継承法をそれまでの“男子優先”から性別を問わない“長子優先”に改正した。
「メディアを通じて、長子優先への改正をほのめかしたのが、エリザベス女王でした。女王は、キャサリン妃が出産にまつわるプレッシャーに苦しむことがないように法律を改正するべきだと考えたのです。
このときエリザベス女王は口には出しませんでしたが、男子出産のプレッシャーを受けていた雅子さまに同情を寄せていたといわれているのです」(多賀さん)
英王室や英国民からの好意に応えるため、そして3児を育てながら闘病を続けているキャサリン妃の力になるため何ができるのか、雅子さまはさまざまな状況を想定されているという。
「公式行事での対面は難しくても、英王室サイドが非公式な対面の場を用意する可能性はあると思います。
27日午後には、ロンドン郊外のウィンザー城を訪れ、礼拝堂でエリザベス女王と夫のフィリップ殿下の墓に花を手向けられる予定もあります。現時点では天皇陛下お一人のご予定となっていますが、ご体調次第で雅子さまも同行される見込みです。
いまキャサリン妃はウィンザー城の領地内にあるコテージで療養しており、両陛下がお見舞いされるのではないかと言われています」(前出・皇室担当記者)
雅子さまのお見舞いが実現すれば大きな反響を呼ぶことは間違いない。
「病気のために公務に臨むことができないキャサリン妃の思いを、もっとも理解されているのは雅子さまだと思います。お見舞いがかなえば、本当に素晴らしいことです」(多賀さん)
■皇室の国際親善では贈り物の交換を
もし対面でのお見舞いがかなわなくとも、キャサリン妃に激励のメッセージを伝える機会はある。
「25日、バッキンガム宮殿で開催される国王主催の午餐会、そして国王夫妻主催の晩餐会には、ウィリアム皇太子も出席します。
皇太子が’15年に来日した際、東宮御所で両陛下が接遇されています。皇太子にキャサリン妃への激励のメッセージを託すことは間違いありません。またメッセージ以外にも、贈り物をすることもできます」(前出・皇室担当記者)
皇室の国際親善においては、贈り物を交換するのが決まりになっている。宮内庁関係者によれば、
「たとえば’91年にオランダのベアトリクス女王が国賓として来日した際、女王はお土産として上皇ご夫妻にガラス器を贈り、上皇ご夫妻は女王に蒔絵宝石箱を贈られています。
皇室からは有田焼などの磁器や、漆器や銀器などの伝統工芸品を贈ることが多いようですが、今回、両陛下がキャサリン妃へ贈られるのではないかとささやかれているのが真珠なのです」 真珠は日英友好の象徴ともいえるアイテムとされる。
「’75年にエリザベス女王が来日したとき、三重県で養殖真珠の加工の様子などを視察しています。その際に日本政府が贈ったのが真珠でした。この真珠は英国で4連のネックレスにデザインされ、女王が長年愛用し続けたのです。
その後、ネックレスはキャサリン妃が受け継ぎ、’22年のエリザベス女王の国葬で着用していたことが話題を集めました」(前出・宮内庁関係者)
そして雅子さまにとっても、真珠は思い入れのある宝石だ。
「’93年1月19日のご婚約会見に、雅子さまは大粒の真珠のネックレスを着けて臨まれました。このネックレスは、母・小和田優美子さんが会見前日に、東京・有楽町の真珠専門店で購入したものでした。
優美子さん自身も結婚するときに、母・江頭寿々子さんから嫁入り道具として真珠を贈られています。雅子さまのご実家では代々、節目を迎える大切な相手に真珠を贈り続けてきたのです」(小和田家の知人)
真珠の石言葉は健康・富・長寿。貝の中で守られて育つため、持ち主を守護する力が強いという。
キャサリン妃に贈られる、雅子さまの回復の祈りが込められた真珠。皇室と英王室の友情は真珠のネックレスのように連なり、輝き続けていくことだろう。
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