<全国高校ラグビー大会:東海大大阪仰星17−12東福岡>◇準々決勝◇3日◇大阪・花園ラグビー場
前回大会準Vの東福岡が、12大会ぶりに準々決勝で姿を消した。試合後、藤田雄一郎監督(52)は「前半0−17で厳しい状態だった。よく追い上げましたけど、前半の立ち上がりが全てでしょ」と振り返った。
前半3分に先制トライを献上。同9分、同21分にも連続トライを許した。前半を0−17で折り返す。後半は相手をノートライに封じ、2トライで5点差に迫る。名門のプライドと執念をにじませるも、1トライ差で競り負けた。藤田監督は「まあ…。でも、よくここまできたなっていう感じですよ」と感慨にふけった。
監督歴13年の中でも、現チームは特に厳しかった。春の全国選抜大会では初戦敗退。大会7連覇中だった6月の九州大会は大分東明に決勝で敗れた。毎年10人程度の高校日本代表候補を擁すも、今年はわずか2人。例年にない苦しい時期を乗り越え、たどり着いた8強入りだった。「マスコミの方は結果で判断するけど、すごく濃い1年だった。監督になって一番、コーチ陣も必死になった。時には親にも聞かせられないような言葉を言いながら、選手たちはよく耐えてくれて。僕も選手たちに成長させてもらった。何度も言いますけど、本当によくここまで来ましたよ。今日はかっこいいグリーンジャージーを、みんなに見せてもらったと思います」と、涙を流す選手たちをたたえ続けた。
今大会登録メンバー30人中16人が1、2年生と半数以上が下級生だった。藤田監督は「3年生が我慢しながら、1、2年生の投資に付き合ってくれた。これを土台に、明日から頑張っていきたい」と前を向いた。【佐藤究】
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