7日の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比240.71ポイント(1.22%)安の19447.58ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が85.77ポイント(1.20%)安の7049.71ポイントと続落した。ハンセン指数は昨年11月29日以来、約6週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は2057億1770万香港ドルに拡大した(6日は1216億3520万香港ドル)。
投資家心理が悪化する流れ。米国の対中圧力が懸念されている。米国防総省は6日、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)など複数企業を中国人民解放軍と関連がある「中国軍事企業」に指定すると発表した。そのほか、人民元安が進むとの見方が強まっているほか、米長期金利の上昇も不安材料。トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、一部外電が「公約に掲げる一律の関税引き上げは限定的なものになる」と報じたが、トランプ氏は同報道を否定。高関税政策がインフレを進行させるとの警戒感が強まり、米債券市場では米10年債利回りが一段と上昇した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネット大手のテンセントが7.3%安。同社は「中国軍事企業リスト」への掲載について、「明らかな誤り」との声明を発表したが、投資家の不安は払しょくされていない。そのほか、通信機器・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が5.9%安、薬品卸で中国最大手の国薬HD(1099/HK)が3.1%安と下げが目立った(小米は前日まで連日で上場来高値を更新)。
セクター別では、医薬関連が安い。国薬のほか、康希諾生物(6185/HK)が8.2%、山東新華製薬(719/HK)が9.0%、薬明生物技術(2269/HK)が2.5%、中国医療集団(8225/HK)が2.0%ずつ下落した。
海運セクターもさえない。中遠海運HD(1919/HK)が3.3%安、海豊国際HD(1308/HK)が2.8%安、東方海外(316/HK)が2.3%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が1.6%安で引けた。
半面、半導体セクターは物色される。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)とASMPT(522/HK)がそろって5.1%、華虹半導体(1347/HK)が3.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.1%ずつ上昇した。「AI(人工知能)ブームは2025年も拡大する」との見方が支えとなっている。
レアアース・非鉄関連もしっかり。非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が4.8%高、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.4%高、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(1772/HK)が3.8%高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が3.5%高で取引を終えた。
一方、本土マーケットは5日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.71%高の3229.64ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。自動車、不動産、銀行、素材、インフラ関連なども買われた。半面、医薬は安い。公益、エネルギー、海運も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)