有村智恵と原江里菜が2025年女子ゴルフの注目株を語る 政田夢乃は「目立てば目立つほど結果が出せる」

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2025年01月07日 18:31  webスポルティーバ

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【連載】有村智恵のCHIE TALK 

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 有村智恵と原江里菜の対談・後編。史上最多の13人がアメリカツアーに参戦が予定されるなか、米国で活躍が期待される選手と、来季の日本ツアーの注目株とは。


webスポルティーバのYouTubeチャンネルでは対談のフルバージョンを公開中。

(>>対談中編はコチラ)

【2025年は米国女子ツアーに史上最多の13人が参戦】

――2025年は、アメリカのLPGAツアーに日本人選手13人が参戦予定です。なかでも注目している選手は?

 うまい選手しかアメリカに行かないんだよね。

有村 私は、山下美夢有ちゃんがどこまで行けるんだろうっていうのは楽しみです。

 それは飛距離的にってこと?

有村 そう。ほかの選手は飛距離が出るから。(竹田)麗央ちゃんも岩井姉妹も飛距離が出る。

 まあね。

有村 美夢有ちゃんも飛ばないわけじゃないけど、たぶん、向こうのツアーだと(ドライビングディスタンスが)100番台ぐらいだと思うんです。

 日本のツアーでも50位以内に入っていない(※)からね。
※山下の2024年ドライビングディスタンスは236.36ヤードで53位。

 でも、(飛距離を武器としていない)西村優菜ちゃんが通用しているから。正直そこはどうなるかわからないですけど。でも、日本ツアーで強くてもアメリカツアーで苦戦している(稲見)萌寧ちゃんみたいなパターンもある。

有村 アメリカツアーは、そこの生活が楽しいと思えるかどうかが結果につながると私は思っています。誰が上手かじゃなく、アメリカツアーを楽しんでいるかどうか。まずはそこでですよね、技術的なことではなくて。

【原プロの注目はQTランキング20位の菅楓華】

――日本ツアーでほかに今後の活躍が期待できる選手は?

 私の持論なんですけれど、レギュラーツアーとステップアップツアーってすごく差があって、 ステップアップツアーで活躍している選手でも、ほとんどの選手がレギュラーツアーでは通用しないと思っています。

 でも、去年1年間をステップアップツアーで戦ってみて、「あ、ステップアップツアーからこの子は(レギュラーツアーに)行けるな」と思ったのが、菅楓華ちゃんだったんです。

 去年の終盤も成績が良かったですし、来年(QTランキングで)前半はフル参戦できるので、みんながまだそこまで注目していないなかでは、菅選手はこっそりあるんじゃないかなと思っています。

――菅楓華選手はどんなゴルファーですか?

 純粋にショットがうまいです。

 ゴルフがシンプルというか。ピンにつけて、つけ続けてパターが入ればいいスコア、入らなかったら人並み、みたいな。パター勝負なんですよ、彼女のプレーを見ていると。外からアプローチをしている印象があまりないんです。

 今、比較的日本のコースって下が柔らかくて、ピンをダイレクトに狙っていくスタイルじゃないと戦えないじゃないですか。安全パイに逃げて戦わないとスコアがまとまらないコースって1年に1回くらい。

有村 そう。1年で1回か、2回ぐらい。

 そういう意味では、(菅選手は)ピンしか見ていない選手だなと思うので、今時の感じというか、チャンスがあると思っています。

【政田夢乃はスターの星】

――有村プロが注目している選手は?

有村 私はわからない(笑)。

 一緒に回っていないからね。

有村 解説をしていても、結局名前が出てくる選手がほとんど一緒で、(名前が)出てきた選手はみんなアメリカに行っちゃう。

(何度か)政田夢乃ちゃんの話をしていますけど、(彼女のプレーを現地で)見たことがないから、どんなゴルフするのか見てみたいですね。

 政田夢乃ちゃん、ステップアップツアーで一緒に回ったんです。その週に菅楓華ちゃんとも回ったんですけど、正直、「だからみんなまだステップアップツアーのままなんだ」と当時は思っていたんです。

 でも、ああやってリゾートトラストレディスでパンって出てきて、注目されて(※)、やっぱり見られることで成長する選手はいるなと。
※政田選手はツアー初出場となったリゾートトラストレディスで8位タイと大健闘した。

有村 きっと彼女はスターの星だと思う。

 そういう選手だと思うんですよね。注目されると緊張しちゃう選手もいるんですけど、(政田選手は)そうではないと思うので。

有村 そう。だから、目立てば目立つほど結果が出せるんじゃないかと期待しています。

 去年のプロテストを受かった選手でも、初めて試合会場で試合をして、スイッチが入る選手もいるんじゃないかな。

――そういう意味での成長もあるんですね。

有村 あると思います。

 環境が人を育てるので。いかに自分をいい環境に置き続けるかという意味では、ずっとステップアップツアーにいるとそこに慣れきってしまう。早い段階でレギュラーツアーに行くのが大事です。

 シードこそ取れなくても、レギュラーツアーにいることがその選手にとってすごく糧になるなというのは、ここ何年間で自分がステップアップツアーに行ってみて、若い選手たちを見ていてもすごく感じていることです。

(>>対談前編はコチラ)
(>>対談中編はコチラ)

【Profile】
有村智恵(ありむら・ちえ)
1987年11月22日生まれ。プロゴルファー。熊本県出身。
10歳からゴルフを始め、九州学院中2年時に日本ジュニア12〜14歳の部優勝。3年時に全国中学校選手権を制した。宮城・東北高で東北女子アマ選手権や東北ジュニア選手権、全国高校選手権団体戦などで優勝。2006年のプロテストでトップ合格。2007年は賞金ランク13位で初シードを獲得した。2008年6月のプロミスレディスでツアー初優勝。2013年からは米女子ツアーに主戦場を移した。2016年4月の熊本地震を機に日本ツアーへ復帰。2018年7月のサマンサタバサレディースで6年ぶりの優勝を果たすなど、JLPGAツアー通算14勝(公式戦1勝)をあげる。
2022年に30歳以上の女子プロのためのツアー外競技「LADY GO CUP」も発足させた。
2022年11月に、妊活に専念するためツアー出場の一時休養を表明。2024年4月に双子の男の子を出産した。

原江里菜(はら・えりな)
1987年11月7日生まれ。プロゴルファー。愛知県出身。
東北福祉大学年在学中の2006年にファイナルQTで43位となり、TPD(トーナメント・プレーヤーズ・ディビジョン)非会員登録制度を活用して2007年よりプロ転向。初年度からシードを獲得し、2008年8月の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー初優勝。2015年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で2勝目を挙げる。
東北高校出身で、有村智恵とは同級生。

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