スペイン語圏からの移民の影響大? ラテン音楽が席巻した“2024年アメリカ音楽シーン”を考察

0

2025年01月07日 21:00  TOKYO FM +

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

TOKYO FM +

スペイン語圏からの移民の影響大? ラテン音楽が席巻した“2024年アメリカ音楽シーン”を考察
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40〜18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

今回のテーマは「ヒットの鍵はスペイン語? ニューヨークのZ世代が2024年の音楽シーンを振り返る」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、2024年にヒットした楽曲の傾向について意見交換しました。


※写真はイメージです



◆2024年にもっともストリーミングで再生されたアーティストは?

今回は、Spotifyが毎年年末に発表する「世界でもっともストリーミングされたアーティスト」のプレイリストを振り返りました。10位から1位は以下のような結果となりました。

1.Taylor Swift
2.The Weeknd
3.Bad Bunny
4.Drake
5.Billie Eilish
6.Travis Scott
7.Peso Pluma
8.Kanye West(Ye)
9.Ariana Grande
10.Feid

ランキングの結果にZ世代のラボメンバーたちは納得しているのでしょうか? 率直な意見を聞いてみましょう。

ノエ:僕だけかもしれないけど、今年のグローバルチャートってひどくない? なんだかつまらないよね。

ミクア:上位半分は妥当だと私は思うけどね。ちょっとクレイジーなのは、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)が入っていることかな。彼って今年は何もリリースしていないよね?

メアリー:彼って「The Idol / ジ・アイドル)」という奇妙なドラマに出ていたよね。それって2023年だったっけ?

ミクア:Weekndってものすごい人気なんだよ。私も大学に入るまでは気づかなかったけど、周りはみんな彼の音楽を聴いている。

メアリー:知ってるよ。私って人生で5回しかコンサートに行っていないんだけど、Weekndはその1つだった。なぜ行ったかって? 普通に音楽が好きな友達に誘われたからだよ。

あと、みんなの声を拾うと、Drake(ドレイク)がチャートに入っているのになぜKendrick Lamar(ケンドリック・ラマ―)が入っていないんだってこと。だって2人のケンカってすごかったじゃない。

ノエ:でもさ、Drakeってもう終わってない?

メアリー:そうなんだけどさ、一般人はいまだにDrakeを聴いているんだよ。あと、Kendrickはニューアルバム『GNX』をリリースしたばかりだから、それはカウントされなかったのかもね。

ミクア:Kanye West(カニエ・ウェスト)が入っているのも変じゃない? 訳がわからないよ。

メアリー:ああ、もうひとつみんなが言っていることがある。このリストに載っている人たちの多くがカーダシアン一家と関わっているんだよね。Bad Bunny(バッド・バニー)、Travis Scott(トラヴィス・スコット)、Kanye Westとかさ。

ラボメンバーたちはTaylor Swift(テイラー・スウィフト)やBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)のランクインに理解を示すなか、The WeekndやDrake、Kanye Westには納得できないと難色を示しました。

さらに、カーダシアンファミリーと関係が深いアーティストが3名も選出されていることに疑いの目を向けています。Z世代専門家のシェリーは「本当にストリーミングの数で選ばれているのかという疑問まで出ていましたが、こういったスーパーセレブの派手な交流が、みんなの興味を掻き立てるのではないでしょうか」と説明しました。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆ラテン系アーティストがグローバルチャートに台頭

続いてラボメンバーたちは、Bad BunnyやPeso Pluma(ペソ・プルマ)といった、スペイン語圏のアーティストの人気に注目します。

ミクア:10位のFeid(フェイド)ってアーティストは知ってる? 私は聴いたことがないんだけど。

メアリー:Feidはコロンビア人のアーティストだよ。

ミクア:ああ、わかった! ツアーに出たって話を聞いたことがある。知り合いで彼のコンサートに行った人がいるよ。

メアリー:レゲトンのアーティストだよね。この人のことは全然知らないんだけど、Bad Bunnyと一緒に仕事をしていて、それがきっかけで人気が出たんじゃないかな。

メアリー:ところでPeso Plumaは知っている?

ミクア:聞いたことはある。この人もFeidやBad Bunnyと同じくスペイン語で歌うアーティストで、メキシコの歌手。すごく人気があるよ。それにしても、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)よりも上なのか。まあ、たしかにそうかもね。

メアリー:Bad BunnyだってArianaより上だよ。

ミクア:Bad Bunnyの人気は凄まじいからね。

メアリー:世界的にめちゃくちゃ人気だよね。

ミクア:Arianaも敵わないかも。

メアリー:とにかく、スペイン語圏のアーティストの勢いがものすごいよね。でも変だなって思うのは、こうしたグローバルチャートのアーティストって、去年のグローバルアルバムのトップ10にはあまり入ってこないんだよ。

アルバムチャートに入っているのってほとんどが女性。Taylor Swift、Billie Eilish、Sabrina Carpenter(サブリナ・カーペンター)、Ariana Grande。なんだか格差があるように思えて変な感じ。

ミクア:グローバルシングルチャートのトップはSabrina Carpenterの「Espresso」だね。

メアリー:確かに、その曲はどこに行ってもかかっていた。

ミクア:今年は間違いなく彼女の年だったよ。

メアリー:あと、Billie Eilishの「Birds Of A Feather(バーズ・オブ・ア・フェザー)」はすごくいい曲だよね。大好き。

ミクア:彼女のアルバム『Hit Me Hard And Soft(ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト)』はいいよね。ファンというわけでもないけど、あのアルバムは本当によかった。

メアリー:面白いのが、ビリーのアルバムのなかに「Chihiro」って曲があるでしょう? あれってアニメ映画「千と千尋の神隠し」からインスピレーションを得たんだって。

Bad BunnyやPeso Plumaなど、人気の高まりを見せるスペイン語圏のアーティストたち。その背景には、アメリカにスペイン語圏からの移民が増えているだけでなく、英語ではない多言語の歌に若者たちが聴き慣れてきた背景も大きいと考えられています。また、何よりも踊れるキャッチーなビートが人気の秘密のようです。

一方で、グローバルチャートで爆発的人気の男性アーティストたちは、アルバムチャートにほとんど登場しません。それどころか、1位から8位までは女性アーティストが占めています。

1.Taylor Swift『The Tortured Poets Department』
2.Billie Eilish『Hit Me Hard and Soft』
3.Sabrina Carpenter『Short n’ Sweet』
4.Karol G『MAÑANA SERÁ BONITO』
5.Ariana Grande『Eternal Sunshine』
6.Taylor Swift『1989 (Taylor’s Version) 』
7.SZA『SOS』
8.Taylor Swift『Lover』
9.Benson Boone『Fireworks & Rollerblades』
10.The Weeknd『Starboy』

グローバルアーティストのトップに君臨するTaylor Swiftは、アルバムチャートになんと3枚もランクインしていました。また、Billie Eilishのアルバムに収められている「Chihiro」もグローバルな音楽シーンを感じさせます。「2024年はスペイン語で歌うアーティストが席巻し、アルバムでは女性の作品が売れまくった、そんな流れが見えてきましたね」とシェリーはコメントし、話題を締めくくりました。

<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40〜18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト:https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
動画・画像が表示されない場合はこちら

    前日のランキングへ

    ニュース設定