<バレーボール全日本高校選手権(春高バレー)女子:共栄学園3−1就実>◇11日◇第4日◇準決勝◇東京体育館
女子は共栄学園(東京)が、05年度大会以来19年ぶり3度目の優勝に王手を懸けた。2連覇を目指した国民スポーツ大会(国スポ)覇者の就実(岡山)を3−1で破った。前回大会準優勝の下北沢成徳(東京)は全国高校総体(インターハイ)を制覇した金蘭会(大阪)を下し、8大会ぶりの日本一にあと1勝とした。女子で東京勢が決勝でぶつかるのは、15年度大会の下北沢成徳−八王子実践戦以来となる
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セットカウント2−1で迎えた第4セット。24−24の場面で、共栄学園にマッチポイントをもたらしたのは宇都木乃愛(のあ、3年)だった。「今日が最後の試合になるかもしれないので自分が打とうと。セッターに『全部持ってこい』って言いました」。仲間のブロックで勝利が決まると「うれし涙が出ちゃいました」。まだ試合できる喜びをかみしめた。
チームは12年ロンドン五輪銅メダルの愛さん(旧姓大友)を母に持つ大エース秋本美空(3年)を擁するが、これまでの戦績は1年時の春高ベスト8が最高。秋本の調子がそのまま結果に表れるチームだった。ビーチとの二刀流に挑む宇都木だが、昨年11月の本大会の東京予選後に「このままじゃダメだ」と決意。苦手なストレートの打ち方を改善したことで攻撃のバリエーションが増えた。この日はチーム2位の20得点で、アタック決定率は秋本を上回る51・3%を記録。「(秋本)美空がいない時にどう点を取るか。やってきたことが出せたと思う」と胸を張った。
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決勝では本大会予選の準決勝で1−2で苦杯をなめた下北沢成徳と対戦する。チームにとっても、自身にとっても成長を披露できる最後の大舞台。「今日もできたけど、今日よりもバレーをしっかりできたら」。19年ぶり王座奪還の立役者になる。【勝部晃多】
○…エース秋本が初めての春高センターコートで暴れ回った。サービスエース4本を含む両軍最多の42得点。頼れる主将の一打でチームを勢いに乗せ「去年優勝した学校に自分たちのコンビバレーで勝つことができてすごく良かった」と声を弾ませた。決勝も強豪が待ち受けるが「絶対に勝つという気持ちを忘れない」と口元を引き締めた。
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