【全豪オープン】完全復活の錦織圭「グランドスラムに帰ってきたな」苦難乗り越え再スタート

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2025年01月11日 19:35  日刊スポーツ

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4年ぶりに全豪オープンに出場する錦織

元世界4位の錦織圭(35=ユニクロ)が、4年ぶりに全豪オープンテニス(12日開幕、メルボルン)に出場する。


ここ数年は度重なる故障に見舞われていたが、昨年11月に下部ツアー大会で優勝すると、今季初戦の香港オープンでツアー大会6年ぶりに決勝に進出した。完全復活の気配で4大大会に挑む。大坂なおみ(27=フリー)も今月のASBクラシックで出産復帰後初めて決勝に進出。その勢いで、21年全豪以来の4大大会Vを狙う。男子では西岡良仁(29=ミキハウス)とダニエル太郎(31=エイブル)、女子では内島萌夏(23=安藤証券)、日比野菜緒(30=ブラス)も出場する。


今月5日、香港オープンで19年1月のブリスベン国際以来となる決勝の舞台に立った錦織は、逆転負けで優勝は逃したものの、充実した表情を浮かべた。「スタートは本当に良かったけど、その後に守りに入ってしまった。でも、とても楽しかった」。180キロを超えるサーブ、高速リターン、芸術的なロブショットで観客を大いに沸かせた。


完全復活と言っていい。1回戦で世界56位のシャポバロフを一蹴すると、2回戦では同19位のハチャノフと2時間を超える熱戦の末、逆転勝ちで8強入りした。試合後「この数年で最大の勝利。間違いなく自信につながる」と語ったように、準々決勝では同49位のノリー相手にまたしてもフルセットを戦い勝利。元トップ10の3選手を撃破した。


全豪開幕を前に、WOWOWの独占インタビューに応じ「グランドスラムに帰ってきたなという感じですね。この大会自体も4年ぶりになるので『久しぶりだな』という気持ちもありますけど、慣れ親しんだ場所ではあるので『久しぶりだな』とは思わないような気もします。今回の全豪は久しぶりなので、なるべく緊張しないこと。まずは1回戦ですね。香港でのような攻撃的な良いプレーを心がけて思いっきりできたら良いなと思います」と意気込みを語った。


22年1月、全豪オープン直前に股関節を手術。そこから苦難の道が始まった。1年以上、実戦から離れ、23年6月に復帰した直後に今度は左膝を痛めた。再びリハビリに明け暮れる日々。しかし、錦織はあきらめなかった。昨年2月には02年全豪を制したスウェーデン出身のトーマス・ヨハンソン氏(48)をコーチに招き、サーブをはじめ、テニスを見直した。


家族に支えられながら、24年3月のマイアミ・オープンでツアーに復帰。全英に3年ぶりに出場し、9月の木下グループ・ジャパン・オープンで8強、11月のHPPオープン(フィンランド・ヘルシンキ)では、約1年5カ月ぶりに下部ツアー大会優勝を果たした。12月の「WOWOWテニスファンミーティング」に登場した際には、11月の優勝を「やっとスタート地点に戻ってこられた」と振り返り、「来年は1年を通して元気で戦いたい。(世界ランクも)50位やその上に入っていけるようにしたい」と意気込んでいた。


股関節を手術する前、錦織はこう話していた。


「2〜3年後には、またグランドスラムでベスト4や決勝をとかやってみたい。まだ、上に戻りたい、トップ10に戻りたいという気持ちも強い」


30歳を過ぎてから、幾度も苦難を乗り越え、メンタルは逆に強くなった。テニス人生、再スタートの舞台は整った。

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