なぜ「バーチャファイター」は素人ゲーマーも虜にしたのか? 新作発表でテンション上がる40代漫画家の考察

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2025年01月12日 12:51  ITmedia NEWS

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 2024年12月13日にアメリカで行われた「The Game Awards 2024」で、3D格闘ゲームである「バーチャファイター」の最新作が開発されることが発表されました。2006年リリースの「バーチャファイター5」ぶりの完全新作。そして1月8日に「CES 2025」で公開された新規映像は、約30年前の興奮を呼び覚ますものでした。


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 初代「バーチャファイター」がアーケードゲームとしてリリースされたのは1993年。翌94年には新ハード「セガサターン」のローンチタイトルとして発売され、家でも楽しめるようになりました。


 当時、高校生だったボクは、セガサターン版のバーチャファイターにハマり、放課後に昼食代の500円を握りしめて「バーチャファイター2」をプレイするためにゲームセンターに通い詰めました。その後もロクに勉強はせず、続いてリリースされた「バーチャファイター3」をゲーセンで遊び倒すという浪人時代を過ごすことになります。


 ちなみにセガサターン発売当時に社会人1年目だった担当編集氏は、ファミコンを買ってもらえなかった子ども時代の反動もあってか、セガサターンとソフト、専用コントローラーも込みで、初めての“大人買い”をしたそうです。


●格闘ゲームがとくに好きではない人も惹かれた


 いわゆる格闘ゲームは得意ではなかったボクらのような素人ゲーマーが、なぜバーチャファイターには惹かれたのでしょうか?


 それまでの格闘ゲームは、2Dのグラフィックで描かれ、いわゆる“気弾”など現実離れした技を駆使して闘うものでした。しかしバーチャファイターは、3Dのポリゴンで作られたキャラたちが、実際の格闘技でも見られるリアルな技で闘います。


 キャラクターは、リアリティというより、そこに“実在する”感じが魅力でした。ポリゴンによる3D表現という当時の最新技術を、初代はとくに荒削りでしたが、ゲーム性にうまく昇華したシリーズだったと思います。


 特に投げ技は、相手を捕えるまでの動作の細かさや、相手を持ち上げる時にその重量まで感じられるようなモーションが本当にリアルでした。そんな投げ技が使いたくて、ボクはプロレスラーの「ウルフ」といった、投げ技が得意なキャラをメインで使用していました。ヘタクソだったので対人戦ではほとんど勝てませんでしたが、それでもそんなリアルな技のモーションが好きで、バーチャファイターシリーズにハマっていきました。


 今回発表された新作は、年明けに新たなコンセプトムービーが公開されました。相変わらずのリアルな攻撃モーション、相手の攻撃に合わせて動きが変わる防御、そしてキャラクターの重さまで感じられるすべての挙動……洗練された最新作のムービーは、約30年前に初めてバーチャファイターを見たときの興奮と感動を蘇らせてくれました。


 しかも最新作を作るのは、あの「龍が如くスタジオ」というのですから期待大。大学入学以降、すっかり離れていたバーチャファイターシリーズでしたが、久しぶりに格ゲーにハマることになりそうです。


●著者紹介:サダタロー


1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。


●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場


漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。



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