勉強をサポートしてくれる家庭教師と聞くと、頼れる先生や優しく寄り添ってくれる存在というイメージがあるでしょう。そんな家庭教師について、漫画家のぬこー様ちゃんさんがX(旧Twitter)で『人見知り専用家庭教師』という漫画を投稿しています。
一見怖そうな強面の家庭教師が、人見知りの主人公を意外な方法で導き、成長へとつなげていく心温まるストーリーです。ユーモアたっぷりの展開の中に、勉強や人との関わりについて考えさせられるメッセージがたくさん込められています。
人見知り専用の家庭教師として現れたのは、目元に一筋の傷跡があり圧倒的な威圧感を放つ坂本先生です。人見知りの主人公・女子高生のしらすは怯え、「命を守る行動をしなければ」とまで思い詰めてしまいます。しかし、徐々に坂本先生の言葉や行動に心を開いていく様子が絶妙に描かれています。
主人公しらすの成績は上の下といったところ。「何で勉強してンだ?」と聞かれてうまく答えられない主人公に、坂本先生は「…まさかお前 やりたいこともねーのに やりたくもねー 勉強頑張ってたのかよ」と声をかけます。「勉強とは与えられた課題をこなすのではなく、楽しむものである」という坂本先生の哲学が主人公の成長とリンクしていく展開は、読者にも学びを楽しむ心を思い出させてくれるでしょう。なぜ、ぬこー様ちゃんさんが漫画「人見知り専用家庭教師」を描くに至ったのか、詳しく話を伺いました。
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ー強面だけど優しい家庭教師「坂もっちゃん」のキャラクターが印象的ですが、モデルとなった人物はいますか?
特にないです!あえていうなら、小学6年生のときによく描いてた人造人間16号ですね(笑)そこから自然とおっさんキャラを描くのが好きになりました。
ー「ゲームを一緒にする」「仕事をしたくないなら親に寄生すればいい」など、型破りな言動が多いですが、あえて「家庭教師らしからぬ」を狙った理由はありますか?
僕自身、昔は「選択をしない」という状態で、特に深く考えずに生きていた時期がありました。
でも、選択を先送りにしていると、だいたい良い結果にはつながらないんですよね。とはいえ、学生のころってそもそも選択肢が見えにくいんです。
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だからこそ、「こういう選択肢もあるよ!」と具体的に示してくれる先生がいたら、きっと助かるだろうなと思いながら描いています。
ー「能動的にやる勉強は楽しい」というメッセージが印象的だったのですが、どのような経験から生まれたものですか?
小学校高学年くらいから視力が0.1以下になって、裸眼だとまったく黒板が見えなかったんです。それでも頑なにメガネをかけなかったんですよね。その結果、高校1年生の数学のテストで赤点を取ってしまって、、、中学生までは、黒板を見なくても教科書だけでなんとか乗り切れたんですが、高校ではそれが通用しなくなったんです。
「このままじゃやばい!」と思って、初めて数学の問題を解き始めたら、意外にもパズルみたいで面白くて。その日から休み時間もずっと数学の問題集を解きまくるようになり、次のテストではオール満点を取るまでになりました。
その経験をきっかけに、いろいろなものに興味を持つようになり、1999年ごろにはPCを買って3Dモデリングを学んだり、Javaを勉強したりと、いろいろ挑戦し今に繋がっています。こういう自分の体験がこの言葉に繋がっているのかもしれませんね。
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(海川 まこと/漫画収集家)
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