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ラグビーの全国大学選手権で5大会ぶりの優勝を狙う早大(関東対抗戦1位)のフッカー佐藤健次(4年)が、神奈川・桐蔭学園高出身の主将対決を制す。
決勝(東京・秩父宮ラグビー場)を翌日に控えた12日、東京・上井草の練習場で前日調整。高3時に主将として全国高校大会(花園)2連覇に導いた男は、帝京大(同2位)のフランカー青木恵斗主将(4年)と気心知れた仲だ。大学での4連覇、“個人6連覇”がかかる友との最終決戦を制して、早大を頂へ導く。
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帝京大と同じ赤のジャージーを着せたタックルバッグに、早大の部員159人を束ねる佐藤が突き刺さった。塩で清めた赤黒ジャージーを手に仲間へ告げた。「1年生は1年間、4年生は4年間やってきたことが『正解だった』と思わせられるように、主将として一番、体を張ります」。自らの言葉で責任を背負った。
王者を倒して証明したい。帝京大は3連覇中。昨年11月3日の関東対抗戦でこそ48−17と快勝したが、チーム内で「同じようには絶対にならない」と気を引き締める。フィジカル自慢の相手を象徴するのが、桐蔭学園時代にともに黄金時代を築いた青木だ。過度な意識は避けるが「早稲田対帝京として、どっちがいい影響を与え続けられるかの勝負。恵斗にも帝京大学にも負けたくない。僕対恵斗というマッチアップがあれば負ける気はない。バチバチやり合いたい」と誓った。
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就任4季目の大田尾竜彦監督(42)も期待を込める。早大4年だった03年度、主将として全国準優勝。同じ佐賀工高出身の山村亮主将が率いた関東学院大に敗れた。当時を思い返しながら「大学の最後の決着をつける意味では、すごくいいステージ。キーマンは主将。健次らしくやってほしい。笑顔、声が出ている時が調子がいい。周りを信じてやってほしい」と願った。
今季は4年をかけて強化したスクラムを土台とし、1年生SO服部のロングキックで前進、FWとBK一体の展開ラグビーで魅了してきた。佐藤は「最後は優勝という結果でしか、恩返しができない」と誓う。日本一の時にだけ歌える第2部歌「荒ぶる」を、真冬の空へ響かせる。【松本航】
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